教育福島0089号(1984年(S59)02月)-028page

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二 数学的な考え方、処理の仕方を身につけさせる

 

(一) 基礎的な知識や技能の修得を図るとともに、基本的な概念や原理・法則の理解を深めて、これらが問題解決に生かされるようにする。

・問題解決に際しては、多様な手法を用いてこれに当たり、それぞれの方法の良さ、特徴を認識させ学習内容の深化を図る。

(二) 論理的思考に関しては、演えきとともに帰納・類推の方法も理解させて、特殊から一般へ、一般から特殊への数学的な手法を身につけさせる。

(三) 一般的に成り立つ性質を見つけたり、より高い立場から見直したりして、いくつかの領域の事項を関連づけ、まとめ、体系化してゆく数学的な手法を理解させる。

(四) 具体的な事象は、理想化、抽象化条件づけ等されて数学の舞台にのせられ、数学的な手法によって処理され、その解が求められて解釈される。このことを身のまわりの多くの具体例を通して理解させる。

 

四 指導の内容・方法について中学校数学との関連を密接にする

 

(一) 中学校数学の内容の補充・定着を図る指導に際しては、ある時期に集中的に行うか、高校の学習事項に関しして必要に応じて行うか、生徒の実態、教材内容に即して適切な方法を考える。

 

理科

 

観察・実験などを通じて、自然を探究する能力と態度を育てるとともに、自然の事物・現象についての基本的な科学概念の理解を深め、科学的な自然観を育成するための指導方法について研究と実践を深める。

そのため、次の事項について努力する。

 

一 各科目の目標を分析して指導内容の重点化・教材の精選を図り、より具体的・実践的な指導計画の作成に努める

 

(一) 五十七年度より理科1の科目が全生徒に履修させることとなったことにかんがみ、指導に当たっては、1)自然科学に関する基礎的・基本的な概念の形成、2)自然の統合的な見方考え方の育成、3)自然環境についての理解を深める等の視点から、十分に教材内容を分析し、指導計画の中に特に「実験・観察」を適切に位置づける。

(二) 各科目について、領域全体の学習内容の構造化を図り、総合的・関連的に自然現象を理解できるような指導計画の作成に努める。

(三) 教材の精選及び重点化を進めるに当たっては、生徒の実態を的確に掌握し、さらに中学理科、理科1、選択理科の関連を十分に踏まえて行うようにする。

(四) 「実験・観察」については、各科目の全領域についてとりあげるようにする。なお生徒の実態を考慮し、より適切な教具の改善、自作等も積極的に進める。

 

二 生徒の能力・適性の多様化に対応し、一人一人の学習の成立を図るための学習指導法の改善に努める

 

(一) 授業を展開するに当たっては、本時の到達目標を、より具体的に設定し、それにせまるための十分な配慮をする。

(二) 一時間の授業の中での個別化を図るため、指導の流れの中に各ステップを設け、随時一人一人の反応をとらえ、それぞれの生徒に即した適切な指導を加えるための研究を深める。

(三)教育機器の特性を十分把握し、学習の効果を高めるよう活用方法の研究を行う。

 

三 評価法についての改善に努める

 

(一) 生徒一人一人が、自己の学習到達状況を常に知り、自ら進んで学習しようとする態度を育てるため、課題意識を十分に持たぜるための配慮を行うとともに、その評価のあり方について研究を行う。

(二) 評価は、学習到達度、伸長度、学習への参加状況等を統合的に判断し行うよう努める。特に、実験・観察時においては、あらかじめチェックリスト等を作成したり、パホーマンステスト等を加味するなどして、理科教育の本質にせまる評価に努める。

 

四 理科の実験・観察に当たっては、事故の防止に十分配慮する

 

(一) 実験・観察における基本操作の技能の習熟について配慮する。

(二) 野外調査等の実施に当たっては、予備調査等を行うなどして、事故の防止に努める。

(三) 有害物質等の取り扱いについてはその管理について十分留意する。

 

 

 


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