教育福島0089号(1984年(S59)02月)-029page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

保健体育

 

高等学校における保健体育の指導は学習指導要領の趣旨を踏まえて適切に行わなければならない。

保健体育では、健康の増進と体力の向上を図り、心身の調和的発達を促し明るく豊かで活力のある生活を営む態度を育成することを究極のねらいとしている。このねらいを達成するため、体育においては、生徒一人一人に運動に親しむ習慣を身につけさせることに重点をおき、保健においては、主として集団生活における健康・安全について理解を深めさせることに重点をおいて指導することとなるが、特に、楽しい体育及び魅力ある保健学習の具現化をめざし、創意を生かした指導の展開に努める必要がある。

 

一 指導計画の改善に努める

 

体育

 

(一) 年間計画の作成に当たっては、総則の趣旨を生かし、学校における体育活動が有機的に関連し、調和を保つよう配慮する。

(二) 指導内容は、地域や学校の実態及び生徒の能力・適性・興味・関心等を考慮して決定するよう工夫する。

・保健

(一) 年間計画の作成に当たりては、総則の趣旨を生かし、学校教育活動全体の中で保健としての特性や役割が明確になるよう配慮する。

(二) 地域や学校及び生徒の実態に即し指導目標を具体化するとともに、指導内容を精選し、内容相互の系統性や関連性を明確にしながら、組織化を図るよう工夫する。

 

二 学習指導の改善・充実に努める

 

・体育

(一) 運動の特性や課題に応じた指導の充実に努めるとともに、生徒の能力や適性等に応じた指導法を工夫し、個性や能力を伸長するよう努める。

(二) 学習意欲を高めるため、生徒の実態に即した到達目標を設定するとともに、評価の観点を具体化し、自己評価・相互評価が生かされるよう工夫する。

・保健

(一) 生徒の健康に関する認識の実態を把握し、それを指導過程に十分生かすよう工夫する。

(二) 学習への興味・関心を高めるとともに、指導内容の理解を深めるため資料や教育機器等の有効・適切な活用に努める。

 

三 体力の向上に努める

 

(一) 学校教育活動全体を通して体育活の組織化を図り、運動の生活化を促すよう努める。

(二) 体力つくりの意義と方法について十分理解させ、実践させるよう努める。

(三) スポーツテストを実施し、生徒一人一人の体力・運動能力に応じた適切な運動処方を工夫する。

(四) 施設・用具の活用を図るとともにその整備拡充に努める。

 

音楽

 

中学校の学習内容と関連を持たせながら、幅広くさまざまな音楽に親しませるとともに、学習活動を通して、音楽を的確に聴き取り感じ取る感性面の指導と、演奏や創作等の技術面の能力が高められる指導の工夫が必要である。

そのためには、生徒の実態及び学校の実情に応じて、.各領域の指導内容の精選と重点化を図るとともに、指導法の改善・充実に努め、教師自らが音楽芸術の持つ底知れぬ深さ、美しさに着目し、広い視野に立って生徒一人一人が心から真の音楽美にふれる指導が望まれる。

 

一 基礎的な能力の伸長を図る

 

(一) 音楽の表現・鑑賞の喜びを経験させ、音楽を愛好する心情を養うためには、音楽の諸活動を通して音楽の美しさ、楽しさ、喜びなどの感動的な体験を基盤として、興味・関心を喚起し、読譜力、聴取力等の基礎的な能力を高める指導に努める。

(二) 生徒の実態、学校・地域の実情等を十分に把握するとともに、実態に応じた指導計画や、指導のねらいを明確にして教材の精選を図り、基礎的な指導がゆとりある学習活動の中で、効果的に深化が図れるように努める。

(三) 音楽の諸能力を的確に身につけさせるには、教師中心の授業だけでなく、生徒自らが音楽のなりたち、くみたて等に気付き、創造的に音楽の表現ができるような指導の手だてが必要である。生徒一人一人が生き生きと主体的に授業に参加できる指導法の改善に努める。

 

二 表現・鑑賞の能力を高める指導

 

(一) 歌唱指導においては、視唱力を的確に身につけるとともに、楽曲の持っ楽趣にあった適切な表現ができる技法と、音楽的な感受性が統合的に高められる指導をする。

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。