教育福島0089号(1984年(S59)02月)-035page

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させるうえで大変重要である。高等学校における進路指導の適時性を失わないよう適切な進路指導計画とその実施が求められている。

 

一 進路指導本来の意義を確認し、校内の指導体制を確立する

 

進路指導は単なる就職・進学の選択指導ではなく、人間として望ましい生き方を自覚させ、将来の生活において自己を実現させる能力を育てることを目標としている。生徒の進路意識は、教師側の組織的、計画的な努力のなかから培われていくものである。教師及び学校側の進路に対する積極的な指導体制の確立を図る。

 

二 発達段階に応じた進路指導の充実を図る

 

高校生活への適応指導に始まり、自己理解、進路設計、進路の選択・決定及び卒業後の追指導に至る一連の進路指導を、生徒の発達段階に応じて計画的・継続的に進めるよう、進路指導部門とクラス担任との有機的な連携指導を推進する。

 

三 ロングホームルームでの進路指導の充実に努める

 

成長に応じた発達課題をロングホームルームの中で与え、これを成し遂げることの繰り返しにより進路意識が発達していくことから、ロングホームルームの役割は極めて重要である。従来にも増してロングホームルームにおける進路指導の充実を図る。

 

四 進路と結びついた目的意識のかん養に努める

 

生徒の多様化に伴い、目的意識の明確でない生徒が増加していることから生徒の早期進路意識の喚起と進路にかかわる目的意識のかん養に努める。

 

五 家庭や、地域社会との連携に留意し、生徒の個別指導を強化する

 

生徒の能力・適性・進路希望等の実態を的確に把握し、個々の生徒の必要に応じた適切な進路指導が行えるように努め、家庭や地域社会との連携を一層密にする。

 

生徒指導

 

生徒指導は、すべての生徒を対象とし、一人一人をかけがえのない主体的な存在としてとらえ、その個別性を尊重し、個性の伸長を図るとともに社会的資質や行動を高め、自己指導能力を育てようとするものである。また、生徒の現在の生活に即しながら具体的、実際的活動として進められるべきものである。

 

一 教師の共通理解を深め、校内指導体制の充実改善を図る

 

(一) 日常の教育活動をとおして、生徒指導にりいての教師の共通理解を深めるとともに、生徒の実態を的確に把握し、自校の生徒指導上の課題を明確にして、学校をあげて効果的な指導活動の推進に努める。

(二) 生徒指導の組織が学校の教育活動の中で十分に機能するよう、すべての教師が各自の役割を果たすとともに相互に助け合って組織を生かして指導に当たる。

(三) 生徒指導についての研修を組織的・計画的に実施し、研修と実践の一体化を図りながら、指導力の向上に努める。

(四) 日常の観察指導を通して、問題徴候を早期に発見し、早期に適切な指導ができる体制の整備に努める。

 

二 生徒理解の深化を図り、学校生活への適応を進める

 

(一) 日常の観察と接触を重視するとともに、各種の調査、検査をとおして生徒理解の深化を図る。更に、ホームルーム担任、教科担任、部顧問等の連携を通して生徒を多角的・多面的に理解するよう努める。

(二) ホームルーム経営の充実改善に努めて、好ましい人間関係の育成を促すため、ホームルーム担任を中心として行う相談活動を充実し、共感的理解を図る。

(三) すべての生徒が、集団の中で、不満や疎外感を持つことなく、それぞれの能力や特性を発揮しうるように教育相談体制の整備充実に努める。

 

三 集団生活における規律の維持向上に努める

 

(一) 民主的な雰囲気を高め、一人一人の集団に対する所属意識や、連帯感の高揚に努める。

(二) 基本的生活習慣の確立に努めるとともに、ルール遵守の気風を醸成し、集団生活における秩序と規律の維持に努める。

(三) 生徒の自主活動を育成し、集団の相互作用によって、自主的・自律的生活の推進を図る。

 

四 家庭及び、中学校との連携を密にし、地域ぐるみの生徒指導の推進を図る

 

(一) 家庭に対しては、学校の教育目標や指導方針について理解と協力を得るとともに、家庭教育の充実を図るための啓発に努める。

 

 

 


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