教育福島0089号(1984年(S59)02月)-036page

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(二) 中・高連携の組織や方法に改善を加え、相互の信頼関係に基づく中・高一貫の生徒指導の推進を図る。

(三) 地域の関係諸機関・諸団体との連携を密にし、地域におけるすべての学校のあらゆる生徒を対象とした指導体制の整備に努める。

(四) 地域ぐるみの補導活動や研修活動の充実を図るとともに、環境浄化運動や生徒の社会参加活動の推進にも努める。

 

養護教育

 

養護学校教育に義務制が施行されてから六年目に当たる昭和五十九年度は義務制下の小学部(校)で、六年間学習した児童が卒業する年度である。

養護教育に携わる者は、この機会に義務制のもつ意義と、その成果を、改めて問い直すことが必要であろう。

県教育委員会は本年度も「障害をもつ子どもたちへのより豊かな教育の推進」を重点施策に掲げているが、「豊かな教育」の内容は、義務制施行期の量的拡大から、質的充実に施策の比重を移している。昭和五十八年度に開校したいわき養護学校を、県立養護学校で最初の通学制の学校としたのも、精神薄弱児の障害の程度に応じた教育内容の充実を目的とするからである。

県の障害者対策会議が策定した長期行動計画では「心身障害児に対して、その障害の種類、程度、能力、適正等に応じて適切な教育を行い、その可能性を最大限に伸ばし、可能な限り社会自立の達成を図る」ことを、養護教育に期待している。

このように養護教育に対する関心と期待が高まる中で、養護学校教育の義務制の意義を再認識し、養護教育の内容の充実に努め、健常児と共通する一般性の基礎の上に、障害児の特性に配慮した教育をすすめ、各学校、特殊学級が、障害をもつ児童生徒にとって、充実した生活と学習の場となって、保護者や地域の期待にこたえるよう、努める必要があろう。

 

〈学校・学級経営上の配慮事項〉

 

一 盲・聾・養護学校運営の適正化を図る

 

(一) 各学校が、自校児童生徒の障害の実態に即して、学習指導要領の趣旨を自校化した教育方針を確立し、特色ある学校づくりに努める。

(二) 教育方針についての全職員の共通理解を図り、その方針を具体化した運営計画による、効果的な教育活動の推進に努める。

(三) 福祉、医療等の関係機関と緊密に連携し、障害児の全面的発達を促進する指導の確立に努める。

 

二 特殊学級運営の適正化を図る

 

(一) 特殊学級の障害の種類・程度等について、編制方針の明確化を図り、学級編制の適正化に努める。

(二) 各学級は、児童生徒の実態に基づき、具体的な到達目標を設定して個別の指導計画を作り、一人一人のもつ可能性の伸長に努める。

(三) 障害児に対する理解を深める交流活動が、健常児の豊かな人間性の育成をも目標としていることなど、特殊学級の指導に対する理解を深め、全職員の協力による、特殊学級活動の適正化に努める。

(四) 養護教育の理念や指導の実際について、全職員の研修を企画するなど学校全体の理解を深め、校内の就学指導の充実、地域社会の啓発など、全職員が協力して、養護教育に対する理解ある環境づくりに努める。

(五) 第三項以下の各項に留意して、特殊学級運営の適正化に努める。

 

三 適正な就学指導の推進を図る

 

(一) 校内就学指導担当者の任務を明確にし、その組織を校務分掌に位置づけ、年間活動計画により、校内の障害児の実態の把握に努める。

(二) 校内就学指導担当者は、市町村就学指導機関等の関係機関と緊密に連携して、校内の就学指導の適正化を図るとともに、就学又は入級後も、一人一人の実態を観察し、適正な教育措置について、その変更を含め、慎重な検討、指導に努める。

(三) 校内就学指導担当者は、養護教育に関する研修活動や地域社会の啓発活動を推進し、児童生徒の障害の実態と指導の在り方について、保護者の認識と地域社会の理解を深め、就学指導の円滑化に努める。

 

四 教育課程の適切な編成を図る

 

(一) 学習指導要領の趣旨にそって、教育課程の改善を図り、指導形態や内容方法に創意工夫を加えた、適切な教育課程の編成に努める。

(二) 各教科、領域について、適切な時数が確保され、児童生徒の障害の特性、発達段階に即して設定された目標や内容に対して、一人一人の到達度や適応の状態を確めて指導がすすめられるよう、弾力的な教育課程の編成に努める。

(三) 週時間割や日課表を工夫し一指導目標に応じて学習単位集団を作り、多彩な教育活動を展開して、学校生活の充実に努める。

(四) 小・中・高等学校の教育課程との関係、小中高一貫教育等、広い視点

 

 

 


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