教育福島0090号(1984年(S59)04月)-048page

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青少年の地域活動への参加に対する啓発や実践を触発する大きな教育的効果をもたらすものとして期待される。

(一)学校、各種団体との行事調整

青少年の地域活動が円滑に行われるようにするため、公民館は学校の積極的な協力を求め、学校や各種団体との行事調整を図る必要がある。

(二) 青少年教育事業の事例紹介

地域の社会教育活動への学校の理解を深め協力を促進するため、県及び市町村は各地の町内会・自治会等のコミュニティを単位としたモデル的な青少年教育事業について、事例を収集し、広く紹介する必要がある。

(三) 学校開放の促進

学校運営に支障のない限り、校庭や体育館、その他の学校教育施設を地域の社会教育活動へ開放し、地域との連携の強化を図ることが望まれる。そのため、県及び市町村は学校施設の開放をさらに促進する必要がある。

また、新設校については、支障のない限り、学校開放を配慮した設計が必要である。

(四) 社会参加の奨励

青少年が地域の成員として社会参加をすることは、その体験を通して、自立や連帯感を養うために極めて重要なことである。そのため、学校や職場においても、青少年の社会参加を積極的に評価し、社会参加を奨励する必要がある。

(五) 教職員の地域活動への参加

教職員の地域活動への参加は、地域の指導者層の充実に貢献するだけでなく、青少年の社会連帯意識や奉仕の精神を培うため、大きな教育的効果をもたらすことが考えられるので、教職員が地域住民としての意識を持ち積極的に参加することが望まれる。

 

四、PTA活動の充実

 

児童生徒の健全な成長を図るためには、児童生徒の教育に直接責任を負う学校と家庭の協力体制が必要であるが、この協力体制は、さらに地域社会における青少年教育についても重要な役割を果たすものである。特にPTAは家庭、学校、地域のかけ橋であり、学校教育と社会教育の連携において、その果たす役割は極めて大きい。そのため、PTA活動の一層の充実を図る必要がある。

(一) 父母会員と教師会員の協力

PTA活動は父母と教師の信頼に基づく協同参加によって、効果的な運営や活動ができる。従って会員の総意を反映しながら、父母と教師が会員として同等の立場で運営に当たり、会務の処理や活動が一部の役員や教師のみにかたよることなく、父母と教師が一体となって進められることが必要である。

(二) 会員の意識の高揚

PTAの入会時には、会員意識を啓発するための工夫を毎年積み重ねる必要があり、日常活動においては、学習の場を拡充していくことが大切である。

また、親子が共に参加する行事を組むなど魅力ある活動を計画するとともに、父母会員が参加しやすい条件づくりをし、多くの会員が積極的に参加する態勢づくりをするなど、会員の意識高揚を図るための諸方策を講ずる必要がある。

(三) 学習活動の充実

PTAは最も多くの構成員からなる社会教育関係団体であり、成人教育の場として大きな役割を担っている。会員の学習は会員自身の充実をもたらすだけでなく、学習しようとする態度そのものが、社会や家庭、特に青少年に対して大きな影響を及ぼすものである。特に家庭教育本来の機能を果たし得るよう家庭教育に関する学習活動や学校教育の理解を深めるための学習活動の拡充が望まれる。

(四) 地域活動の推進

PTAは、子ども会活動、スポーツ少年団体等校外における児童生徒の活動の育成指導を行うとともに、地域懇談会や青少年育成市町村民会議等の地域における青少年の健全育成にかかわる各種の事業に積極的に参画し、地域住民とともに地域ぐるみの活動の推進に努める必要がある。

(五) PTA指導者の養成

PTAが、学校教育と社会教育の連携を強化し、その活動の一層の充実を図るため、県及び市町村はPTAの指導者層を対象とした研修事業の充実を図り、単位PTAはその成果がPTA活動に生かせるよう考える必要がある。

 

編集後記

 

遅い春が来たと思ったら、一気に暖かくなり、校庭では半袖姿の鼓笛隊が行進し、町ではランニングに汗を流す高校生が通りすぎてゆく。

只見の里は残雪がまだまだ多いと友は語り、磯では砂ガニを探して子どもたちが遊んでいると海辺の学校からの便りが届いた。広い福島県のあちらこちら、それぞれの季節の中で子どもたちは遊び、習う。

新学期。新しい顔ぶれとの出合い。これからへの期待と不安。本誌も新しいスタッフで編集がスタートした。編集子にとっては、不安が先で期待はほんの少々。しかし本庁各課の委員、各教育事務所の担当者の方々の御協力を柱にして、読者諸氏にとってなんとか読みごたえのあるものを発行したいものと思う。

本年度は、表紙絵は米倉先生にひき続いてお願いし、グラビア・題字はシリーズ的構成を考え、随想も日々の生活感のあるものをめざしたい。また県内各地の生の情報を「季節の中で」でお届けしたい、などと考えている。

なにわともあれ四・五月号をここにお届けいたします。先生方と毎日のお仕事の中で本誌がちょっとした一服と研修のタネにでもなればと願いながら。

 

 

 


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