教育福島0091号(1984年(S59)06月)-006page

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提言

 

社会の絆

 

福島県子ども会育成会連合会長

 

福島県子ども会育成会連合会長

安斎正光

 

人生は長き将来にわたり、大海原に向って航海する舟乗りの一生の如きものである、と言われており、又ある人は、プログラムのないドラマのようであるとも言っております。ただ生涯を無為、無頼に過す人は別であります。

人は航海の船出にあたり、目標への到達を希求し、周到な準備で安全な条件を整えたうえで気概をもつて航路を進まんと努力を重ねるのが通常であります。しかし一旦航海の途についても、巡航中に操舵を誤れば暗礁に乗りあげる危険や風雨や荒波に遭遇し、激浪にさいなまれる苦労を伴うこともあり、突如として目的を転換せざるを得ない大きな変異にみまわれることもありましょう。

青少年期は、このような社会という大海原へ向って出港するための基礎づくりの時代であり未来の生活設計を構築するための基盤整備を推進する大切な過程にあたります。青少年の健全育成がさけばれ、将来を担う人づくりがいわれるのも、善良で優和な良俗・慣習となる基盤を築き、青少年が健やかに成長ずるような環境づくりが不可欠であるといわれるからでもあります。そのためにいかなる方法・施策を講じ、真心をもって指導するかが当面の課題であり私たちが希求するところでもあります。「成すべき策に結ぶ実の香は」の情感で、あたたかく青少年を導くことこそ大人の側の大きな責任といえましょう。

 

 

 


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