教育福島0091号(1984年(S59)06月)-007page

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【筆者紹介】

 

昭和十八年安達郡上川崎青年学校を卒業、同年右腎臓の摘出手術で家業を実弟に譲り会社勤めに入る。その後菓子製造業を営み、そのかたわら福祉事業、人生相談等、地域への奉仕活動に力を入れる。同三十六年より地域の衛生環境改善、同三十九年には町内社会活動協力推進運動等の地域社会を明るくする運動に活躍し、特に地域の街路灯、防犯灯の設置に努力した。同四十九年には福島県子ども会安全会を発足させ、これらの創意に満ちた輝かしい実績に対し福島県子ども会育成会連合会より表彰、同五十一年回会の東北大会執行の功績で表彰、同五十六年には同会より特別功労賞を受けた。また五十五年には、これまでの活動に対し県知事表彰、同五十八年には全国子ども会連合会長より表彰、その活動が全国的にも称賛されている。

現在、福島県社会福祉協議会理事、県子ども会育成会連合会長、同子ども会安全会長、全国子ども会連合会理事を務めている。大正十三年、安達郡本宮町の生まれ。

 

世情は、情報化社会とともに国際化社会へと進展し、多様化した社会の構造により物心両面の文化的価値観も大きく変化しようとしている中で、近来の子どもたちには自己顕示欲が旺盛でありながら脆弱な意志で虚飾に耽るといった面が見うけられます。このような風潮は、幼児期から青少年期への成長段階での日常生活に起因するところが大きく、日ごろからの情緒豊かにして人間味のある総明な人づくりの施策や社会の規範の確立がまたれるところであります。

そのためにも家庭を軸とする近親、縁者など子どもをとりまく人々の生活や、さらに人々の生活圏における社会性の健全さが基礎となり、具体的には、私たち子ども会育成会では、地域社会の様々な問題の解決に取り組むとともに地域社会の中でのあたたかい社交性の涵養に努めようとしています。そして近隣社会における青少年活動を推進する各種団体の相互の連携を図り、関係機関との連絡を密にして、地域総ぐるみで後輩育成の場をつくり、相互の信頼を強め、互助の精神を培い、望ましい生活慣習を養ない、「将来に向って悔いのない基礎をつくろう」と呼びかけております。

具体的には、私たちは次の二点を基軸としております。

一 年齢応能則。年齢相応の知識や体力の向上に努め、知・情・意を会得して自己の能力を有用に活用し、内面的に自らを教育する。

二 社会信義則。義務と責任の相互の関連を理解し、自分をわきまえ社会の不信を招く背理的行為を慎しみ社会性を涵養して他からの信頼性を身につける。

以上の二点を柱として豊かな社会性と人格の形成を願い、青少年と社会の絆を今後も考えていきたいと思います。

 

提言

 

 

 


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