教育福島0091号(1984年(S59)06月)-012page
て、いわゆる性被害に会った女子中学生も多く、被害者側にも原因の一端があることがうかがえる。(表7)
2)性非行の背景
(ア)性非行の潜在的進行の背景には、社会的、文化的環境の悪化がある。
先ず第一に、人間の尊厳をおとしめ基本的人権をおかす性の商品化が子どもの日常生活をいかに浸蝕しているかがあげられる。
次いで、子ども自身の問題として、耐性の欠如、勤労意欲の不足、無目的生活など心の貧しさが共通に指摘されている。
(イ)社会規範における性意識の変化
性そのものについての考え方が非常に解放的になりつつあり、性を積極的、肯定的に見る傾向が強くなってきており、中・高校生の性意識に影響を与えている。
(ウ)児童・生徒の身体的発達と精神的発達のアンバランス
子どもの性的早熟に見合う精神的発達のおくれと、自己抑制力の欠如が、社会に氾濫する生情報から刺激を受けたとき衝動的な行動に走るものと考えられる。
(エ)性非行に走る子どもには生活基盤の崩れがみられる。
一つは、家庭における人間関係の
表5 年齢別状況 1
表6 性非行によって補導された女子少年
(注)この表において、各態様別に競合する場合は、主たる行為に計上した。
表7 動機別状況
「自らすすんで」が229人で全体の46.6パーセントを占め、中でも「特定の男が好き」が104人で全体の21.2パーセントを占めている。
「誘われて」の中では、「興味(好奇心)から」が111人で、全体の22.6パーセントを占め、最も多くなっている。