教育福島0091号(1984年(S59)06月)-035page
た。さらに、青年会にもチラシを配布して、該当する青年・知人の紹介を依頼した。
(四) 学習内容
学習内容は、対象が限定されており、間近に親になる人たちであるため「結婚とは何か」から「家族計画と生活設計」まで、各段階ごとに関連性をもたせながら、具体的な内容にした。また、学習方法についても講義だけでなく、疑問や不安を解消させるために、質疑応答の時間を多く取り入れたり、視聴覚教材を有効に活用した。
(五) 講師
この教室は、特に専門的な内容を必要とするので、いわき市医師会・平保健所に協力を依頼した。
医師会では、昭和五十七年度から地域医療振興の一環として、地方自治体との協力体制を拡充しているので、講義内容にふさわしい医師の派遣を受けることができた。また、保健所でも関連事業を行っているところがら全面的に協力してくれた。
(六) その他
・開講当時は、学校方式の机配置にしたが、話し合いと学習効果の面から、お互いの顔が見えるコの字型の配置に改めた。
・出席率を低下させないために、毎回、次回の予定を入れたハガキを発送し、電話による呼びかけも行った。
三、実施後の所見
(一) いわき市医師会の協力は有難く、普段聞くことのできない専門医の講義は、高く評価された。
(二) この教室で使用したようなフィルムを、市のフィルムライブラリーでも購入してほしいと感じた。
(三) できれば、全員夫婦で受講して欲しかったが、仕事の関係からか、なかなかそうした機会がもてなかったのが残念だった。
(四) この教室を巣立っていった先輩との話し合いの中から、プラスになるものを引き出すことをねらいとして企画したOBとの懇談会は見事に的中し、楽しい語らいの中にも、この学習が極めて有意義であったと喜んでくれたことは、非常に嬉しかった。
おわりに
三年間継続して開設してきたこの教室も中央公民館の事業として定着してきたものと自負しているが、医師会等関係機関の積極的なご協力に対し、改めて感謝申し上げるものである。
今次の第五次専門委員会の中間発表でも、公民館の理念は、地域社会に生活する住民を、教育実践を通じて人間としての成長にむかうように導くことを根本目的とすると説いている。ここにこそ所謂カルチャーセンターと公民館との理念の違いが存すると認識し、今年度も「明日の親のための教室」を開設することに意欲を燃やしている。
(いわき市立中央公民館事務主任・印遠 進)
▲真剣な質疑応答
昭和58年度 学習プログラム