教育福島0092号(1984年(S59)07月)-013page

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の活動状況についての資料を持参し、懇談に供した。

中学校訪問によって得た資料によりその後の生徒指導の指針を得たり、生徒理解につながったり、その効果は大きいものがある。

2、生徒の出身中学校訪問(恩師との懇談会)

生徒指導研究部と進路指導研究部とで担当して実施した。

生徒は、本校教師の引率で出身中学校を訪問し、恩師と懇談する。生徒は、高校生活の近況や悩み、後輩に対して望むことなどを話したり、恩師からもアドバイスを受けたり、という形で進められた。

生徒は久しぶりに恩師に会った安堵感もあってか、心の中を吐露し、目を輝やかせており、また、中学校の教師も中学校卒業後の教え子の成長ぶりに目を細めて、話に耳を傾ける、という光景であった。

3、その他の実践

(1) 関係諸機関との連携を深めるための活動として、少年補導センター訪問、警察署訪問、自動車学校訪問、さらにはアルバイト就労懇談会等を行った。

(2) 本校生への指導を更に推進する活動として、列車・バス・自転車通学生に対する安全指導、自転車整備点検、列車・街頭補導、地区保護者会、各部室検査、隣接高校との指導委員会、生徒会役員研修会等を実施した。

(3) 中・高の連携を深める具体的な活動として、中・高合同補導、補導モニター委員会の設置、中・高連絡カードの活用、中学校恩師への手紙、などを行った。

(二) 進路指導研究

1、一日体験入学の実施

この計画は、本校の特色と教育内容を説明し、進路選択の参考となるように、関係中学校の第三学年生徒とその保護者、関係教師を対象に実施している。当日の内容は、まず、全体会で学校の概要の説明を行い、続いて、校内の施設・設備・実習などの見学、そして進路相談、最後に体験入学に参加してのアンケート調査を行う、というものであった。

この計画の実施によって、いままで、漠然と進路決定をしていた中学生や保護者に、学校理解が得られるようになったことが、アンケートの中にもよく現われており、収穫であった。

しかし、今後実施するにあたって、次の点に留意する必要がある。

(1) 説明の内容・用語を簡単なものにして理解しやすくする。 (特に履修科目についての説明とコンピューター用語について)

(2) 学校の優れている面だけを強調しないで問題点などについても触れる。

(3) 事前に、参加予定生徒からの質問事項を集約しておいて、それらに対して質疑応答の場も設定すること。

2、中学校への進路情報の提供

中学三年生の九十%が進路に不安を抱き、資料の不足を訴えている。そこで次の資料を作成し、各中学校へ送付し、進路決定の参考に供した。

(1) 「私たちの進路」

本校の概要と各学科の紹介

(2) 出身中学校別卒業生の進路状況

(3) 産業別・地域別・各学科別求人状況及び内定状況

(4) 県内外求人会社一覧

(5) 最近三カ年の進学・就職状況一覧等

3、生徒の出身中学校訪問(恩師と懇談会)

生徒指導研究部と共同で実施(前述)した。

4、 資格・検定試験の奨励

就職指導の一環として、各科においては、夏季休業や放課後を利用して講習会等を開講し、各種免許・資格を取得させるため、積極的な指導を行っている。各科で取得しやすい免許・資格の例は次の通りである。

○機械科−ガス溶接技能士、二級ボイラー技士、危険物取扱者。

○電気科−電気工事士、高圧電気工事技術者、電気主任技術者。

○電子科−無線技術士、情報処理技術者、ラジオ音響技能者。

○土木科−測量士補、土地家屋調査士、土木施工管理技士。

○工業デザイン科 トレース技能検定。

(三) 学習指導研究部

1、中・高学習指導研究会

実施した基礎調査によると、学習上の悩みを持つ生徒は三分の二に達しており、特に高校に入学してから悩みが増えている生徒がこのうちの三分の一である。学習に関してのつまずきが学業生活の全般に亘って影響している場合が少なくなく、このことからも、中学校から高校への一貫した学習指導の研究を進める必要があるということから企画されたものである。

五十七年度の合同研究会では、「基礎学力と基本的学習法を身につけさせるにはどうしたらよいか」のテーマのもとに、高校では国語1)、数学1)、英語1)、工業(電気基礎)、ホームルームの公開授業を行い、研究協議を行った。

また、中学校でも公開授業を実施し、国語、数学、英語、技術家庭、学級会活動を参観したのち研究協議を行い相互の理解を図った。

これらの研究実践の結果

(1) 中・高相互の指導方法と内容の改善充実に役立った。

(2) 中・高教師の信頼関係が強化された。

(3) 中・高の共通課題が確かめられ、特に低学力者の指導について、一人ひとりの生徒についての引き継

 

 

 


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