教育福島0092号(1984年(S59)07月)-014page
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ぎが課題として浮き彫りにされた。
(4) 従来の指導法を見直し、現在の生徒の実態に即した指導法の研究の気運が醸成された。
(5) 生徒の学習に変化が現れてきた。
(6) 中学校の既習事項の確認学習を
計画的に実施することになった。などの効果や課題が確認された。
2、学習の手引きの作成
学習のつまずきを解消するには、中・高の橋渡しを考慮することが一方法であるという観点から「学習の手引き」を作成した。
3、学習習慣づくり(一斉朝自習)
いままで各科で適宜行っていた朝自習を全校一斉のものに切りかえ学習の習慣化をはかった。その結果基礎学力の向上、授業の導入ステップとして効果的であった。
三、おわりに
中高連携については、各校の実態に即し、それぞれ工夫をこらし、種々、実践しているところであるが、今回の研究では、生徒指導、学習指導、進路指導の学校教育活動全般にわたって取り組み、確かな感触を得た。また、今後は、さらに内容を精選・充実し、継続することを今後の課題としたい。
中学校との連携による
生徒指導
勿来高等学校
はじめに
本校では、昭和五十七・五十八年度の二か年にわたり実践的な研究を推進してきた。
近年、自己の人生における高校時代の意味を見出せないまま、学校生活に適応できずに無為に日々の生活を送ったり、挫折したりする生徒が多くなりつつある。
このような生徒は高校入学以前かちさまざまな問題を抱えている場合が多く、中学校との連携をどのように進めていくかが生徒指導上の大きな課題である。
従来の中学校との連携は、ややもすると個々の生徒の中学時代の問題傾向に関する情報を収集して、入学後の問題行動を未然に防ごうとした、いわば生徒指導の消極的な側面に重きを置く傾向があった。高校と中学校、あるいは生徒との間の信頼関係を損ねたり、中学校からの情報によって安易で一面的な生徒理解に陥るおそれもあった。
今回、研究を進めるに当たっては、このような連携のしかたに対する反省を踏まえ、一人ひとりの生徒の自己実現を目指す生徒指導を進めるための中学校との連携のあり方を実践活動によって確かめながら探っていくことを基本として、次のような研究主題を設定した。
「高校生活への適応を高めるため、中学校との連携をどのように進めたらよいか」
一、第一年次の研究実践の概要
初年度の研究推進の内容については本誌の昨年七月号に紹介したが、おおむね次のようなものであった。
(一) 基礎調査の実施
校内において研究の基本方針を検討し、研究組織を定め、研究主題を設定した後に、研究推進のための基礎資料の一つとして、生徒と保護者、地域の中学校の生徒と教師を対象に、質問紙法による意識調査を行い、集計結果に考察を加えた。
これらの調査結果は、研究を進めるに当たっての仮説を検証する上でも、貴重なデータの一つとなった。
(二) 中学校側の参加による授業公開
地元の中学校の教師を招いて、ふだんのままの授業を公開し、その後に率直な感想を交えながら研究協議を行った。これは、中高一貫の学習指導法の研究を進める端緒となり、中高連携による学業指導の必要性を相互に確認でき、大きな収穫であった。
また、中・高教師の相互理解を深め信頼関係を強める契機ともなり、次年度は、中学校においても授業を公開し相互研究の合意を得ることができた。
更に、中学校から高校への「つなぎ教材(数学・英語のワークブック形式のもの)」を作成することについて、中学校側の協力も得られる気運が高まった。特に中学校教師の授業参観の実施によって生徒たちが、自分たちに寄せる中学校の教師の関心をじかに感じ、教師と生徒の心の交流を感じさせる一場面であった。
(三) 中学校訪問の検討
中高連携の一環として、これまでも生徒の出身中学校の訪問を行ってきたが、中学校側の要望を参考としながら従来の訪問のしかたに反省と評価を加え、改善した。
(四) 地域の組織を通した連携の充実
地区の中高連絡協議会や学校警察連絡協議会を通して、一人ひとりの生徒の健全育成を目指すことの共通理解を深め、一層の充実を図った。
特に地区内の各校が生徒指導の事例を持ち寄り、事例研究会を行って「生徒指導事例集」を刊行して生徒指導における中高の連続性、一貫性について共通の理解を得ることができた。
二、第二年次の研究実践の概要
初年度は、当面する生徒指導上の課題を検討し、研究主題と基本方針を設定した上で、基礎調査を行い、それらを基に試行的ないくつかの実践的研究
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