教育福島0092号(1984年(S59)07月)-016page
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今後は、これまでの実践に反省を加えるとともにさらに継続・発展させることが課題である。
生徒の社会参加に
ついての実践的研究
湖南高等学校
一、研究実践の趣旨
近年の高校生の問題点として、連帯感や社会性が乏しいこと、課題意識が低いことなどが指摘されているが、本校においても例外ではない。
本校は地域の強い要望と期待の下に設立された高校であり、よりよい郷土の形成者の育成という使命を担っている。また、大部分の生徒が卒業後直ちに社会人になることを考え併せるとき、生徒に家庭や地域社会への主体的かかわりを通して社会性や望ましい勤労観を身につけさせることが当校の課題といってもよいであろう。すなわち、所属集団と自己との結びつきを自覚するという「帰属意識」や所属集団内での自己の役割を認識し遂行するという「役割意識」、更には所属集団の他の成員と自己との支え合い、助け合いを通して所属集団を超えた人間相互の依存と協力の関係を認識するという「依存意識」の形成を目指す社会参加活動こそ、当校において学習指導要領の理念に近づくための格好の手だてと考えられた。
以上の観点から、次のような研究目標と実践目標を設定した。
(一) 研究目標
1、郷土の形成者として、集団の中で自己の立場を自覚し、進んでその役割を果たす生徒を育成する。
2、豊かな人間性と健康な身体、そして勤労を尊ぶ質実勤勉な生徒を育成する。
(二) 実践目標
1、生徒一人一人が主体的に取り組む実践力を養う。
2、地域への関心や理解を深め、郷土愛を育成する。
3、家庭、学校、地域社会の一員としての役割と責任を自党させる。
4、地域の人々と共におこなう奉仕活動、文化活動、スポーツ活動を通して、地域社会に生きる喜びと勤労の喜びを体験させる。
二、研究組織と実践活動の概要
(一) 研究組織
研究を推進し、その目標を達成するために、次の組織を設置した。
1、研究推進委員会−−研究の主題、目標の設定、月間計画の作成等にあたる。
2、常任委員会−−調査、統計、庶務等の実務的活動を行う。
3、研究分科会−−実践目標に対応する四分科会を設け、具体的計画を作成実践にあたる。
(二) 実践活動の概要
第一年次は、試行的実践期間として既存の活動を社会参加活動という観点から見直すことを中心にした。新たな活動としては「方部別親子懇談会」を加え、特別活動や放課後の時間に開催した。
第二年次は、第一年次の反省評価をふまえて計画的実践期間と位置づけた。生徒の推進機関として「社会参加推進委員会」を設置するとともに学校裁量時間を活用して、より計画的・組織的な活動になるよう改善・工夫を加えた。
第二年次における主な実践内容は表の通りである。(表1)
次に第二年次の実践から主なものを紹介する。
1、保護者の意識調査(意識高揚班)
「湖南高校の現在と未来」「方部別親子懇談会のあり方」「方部での共同作業」等について、保護者の意識を調査した。保護者は生徒に対し「社会につくす人間になってほしい」と願い、学校に対しては「責任感の強い、他と協力することのできる生徒の育成に努めてほしい」と望んでいることがわかった。
2、湖岸清掃(奉仕活動班)
これは、環境美化の意識と郷土愛に基づく奉仕活動として、全校あげ
表1 第2年次における実践の概要
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