教育福島0092号(1984年(S59)07月)-034page

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視聴覚機器を利用したわかる授業の実践

福島県立只見高等学校 児玉 純

 

一、本校の実態

本校は全日制普通科の各学年二学級の小規模校である。過疎化の影響で生徒数は年々減少の一途を辿り、本校志願者は大きく定員を割っている。生徒の進路希望は大半が就職であり、進学については短大・各種学校がそのほとんどを占めている。生徒の中には目的意識が希薄で、基本的な生活習慣が身についておらず、学習意欲に乏しい生徒が見られる。また、学力の低い生徒も見られ、生徒間の学力差は大きい。

 

二、重点目標の設定と研究組織

本校では地域や生徒の実態を踏まえて、「基礎学力の向上」を努力目標として掲げている。その目標のもとに、さまざまな教育実践を展開しているが、「わかる授業の実践」に最も重点をおいている。その一方策として、昭和五十七・五十八年度の二年間にわたり、「視聴覚機器(主にOHP)を活用したわかる授業の実践」をテーマとして、全校をあげてこの研究にとり組んだ。

 

三、目標達成のための創意工夫とその実践

(一) 創意工夫

前記の目標を達成するため、研究推進委員会(図1)において、以下の五項目が決められた。

1) OHPに関する施設・設備の充実

OHPを気軽に活用できるようにするため、各教室に固定式のスクリーン及びOHPを設置する。

2) OHPの準備・後かたづけ

OHPを活用した授業に対する、生徒の参加意欲を高めるため、OHP及びスクリーンの出し入れば、各クラスの生徒日直の仕事とする。

3) 授業研究の充実

OHPを活用したわかる授業をより効果的なものとするため、授業研究の充実に努める。校内研究授業は年間、各教科四時間とする。また、校内研究授業の反省会を実施し、以下の三項目にわたり検討し、改善をはかる。

(ア) 効果的なOHPの活用とTPの作製について

(イ) 指導案の改善について

(ウ)検証について

4) OHPに関する校内講習会の実施

視聴覚係が講師となり、「OHPの利用に関する理論と実践」というテーマで、校内講習会を実施する。

5) 各教科におけるOHP活用分野の設定

OHPはどの分野において有効でありうるかを解明するため、各教科で小テーマを設定する。そのため、生徒の現有学力・意識を各教科、生徒実態調査等により調べる。(表1)

(二) 展開と実践

OHPを媒体として、「わかる授業の実践」→(OHP)→「基礎学力の向上」を目指すために、対象教科を国語・社会・数学・理科・英語の五教科とした。 (表2)

 

四、現在までの反省と今後の改善の方向

OHPを媒体として、「わかる授業の実践」→(OHP)→「基礎学

 

表1数学の自己評価個人診断票

表1数学の自己評価個人診断票

 

図1 校内研究組織

 

 

 

 


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