教育福島0093号(1984年(S59)08月)-010page

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き内容に初めて気づく等は有り得ることである。これは、目標設定のための組織、評価のための組織は、よく機能するが、日々の実践のための組織に弱さがあるからである。

具現のため最も必要なのは、実践の場で組織がいかに動くかである。

校務分掌の各係が教育目標達成のために、有機的関連を持たせて、活発に活動させるには、統轄する係の連絡調整とち密な実践・評価の計画と行動力である。また、実践のための専門委員会を設置し、月毎に到達目標や評価方法を提案して実施する方法も効果的である。

 

(三) 実践と評価

 

日々の実践と評価は表裏一体のものである。常に、児童生徒の目標達成状況を評価し、指導法を改善し、更に目標にせまるよう指導を加えていく営みが教育実践である。

教師一人一人の評価を学校全体の評価に総合するために、あらゆる機会と場を利用する必要がある。

学年会・職員会・研修会・各委員会各教科領域の部会等で、教育目標の達成度を出し合い、全員が努力することを絶えず確認し合うことが大切である、

学期末の総合的評価には、評価の対象や観点・基準・方法等を的確に定めて評価し、目標達成の改善策を具体的に立て、共通理解のもとに実践していく必要がある。また、児童生徒の評価も大きく生かすこと。教師の評価を児童生徒に知らせ、努力点を明確にすることも必要である。

 

二、教育課程の改善充実

 

(一) 教育課程編成の視点

 

自ら考え、自ら意欲をもって課題に取り組む創造性と積極生を備えた心豊かな児童生徒の育成を図るために、学校の教育活動全体を見直すことが望まれている。学校教育が児童生徒一人一人にとって伸び伸びと楽しく、個性や能力を伸長させる場となっているかどうか。学校が真の知力を磨き、豊かな人間形成に資する場になっているかどうか十分検討して、教育課程の基準のねらいを確実に実現していく教育課程を編成することである。そのために次の点に留意する必要がある。

ア 一人一人の児童生徒の能力、適性を伸ばすことに着目し、人間性豊かな児童生徒の育成を図ること。

イ 道徳教育の充実を図ること

道徳の時間を確保し、内容を充実することはもちろんのこと、あらゆる教育活動を通じ、人として守るべき基本的ルールや他者への思いやりの心を育てることが大切である。

ウ 基礎的・基本的事項を確実に身につけさせ自己学習能力を培うこと。

エ 地域や学校の実情を十分配慮すること。

地域の教育環境・条件や学校の施設・設備の状況等を的確に把握し、教育課程を編成し、教材の選択・配列などに十分反映させることである。

更に、児童生徒の家庭環境も大きな影響をもっているので、家庭に教育方針を理解してもらうとともに、

家庭との教育上の連携を図る必要が

ある。

 

(二) 学校の創意工夫

 

自己教育力の育成を図るためには、地域や児童生徒の実態に即し、学校が創意工夫をこらして、主体的な教育課程を編成することが大切である。そのために次の点に留意する必要がある。

ア 学校の教育目標を具体化すること

イ 児童生徒の学校生活全体を見通したものにすること

教育課程の編成を各教科、領域等の窓からのみ見るのではなく、児童生徒の学校生活全体から考えることが大切である。

児童生徒の学校生活を精細に検討して指導計画のそれぞれの場面に的確に位置づけて、学校独自の教育課程の編成に努めることが重要である。

ウ 指導内容の精選・重点化を図ること

指導内容は、児童生徒の実態、学校や地域社会の実情に即して精選し重点化を図って、基礎的・基本的事項を確実に身につけさせることである。

エ 教育活動に創意工夫をこらすこと

児童生徒は、学習において、よく理解し、自ら進んで課題を追求し、わかる喜びを体験したとき、成就感をもち、主体的に学ぶ意欲を高めることになる。

また、学校集団の中で、何らかの役割を果たし、教師や級友から高く評価され、学校生活に適応して自己実現が図られたとき、生きがいをもち、主体的に学校生活を送れるようになる。

そのために、学校の創意を生かした教育活動を展開することが大切である。

 

(三) 教育課程の実施

 

教育課程の実施を効果的に進めていくために、次の点に留意することが必要である。

ア 好ましい人間関係を基盤として、生徒指導の充実を図る

好ましい学級集団を育てていくために、愛情を基盤として、教師は児童生徒の中にとけこみ、一人一人の児童生徒をよく理解し、人間的なふれあいを密にして、生徒指導の充実を図っていくことが必要である。

イ 特別活動を重視し、組織化すること

特別活動は、内容が多岐にわたっ

 

 

 


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