教育福島0093号(1984年(S59)08月)-019page

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学校における体育に関する指導の成果をあげるためには、家族や地域との連携を密にして体育的活動の生活化を図り、継続して実践する習慣を身につけるよう指導することが必要である。

 

(二) 保健指導の充実

 

児童生徒一人一人が、健康な生活を営むのに必要な事柄を体験させ、積極的に健康を保持増進できる基本的な態度や能力を育成することを目指すものである。

保健指導は、児童生徒の集団を対象とした指導と個人を対象とした指導に大別される。

その進め方の基本は、次のようなことにまとめることができる。

 

1 学級指導

 

学校における保健に関する指導全体の中で最も具体的で実際的な指導が展開されるものであり、保健指導全体の中核的な役割をもつものである。

ア 年間を通して計画的に指導する

イ 指導のための適切な時間を設ける

ウ 評価の結果を十分活用し、常に指導法を工夫する。

 

2 学校行事

 

保健指導それ自体を目的として実施する行事と、学校行事に伴って行われる保健指導に大別される。

即ち、保健に関する行事であり、それらの指導を行うに当たっては、次の次項に留意することが大切である。

ア 学校行事は、学年以上の全校的集団を対象として実施するものであること。

イ 実施に当たっては、実践を通して行われるものであること。

 

3 児童生徒の活動

 

児童生徒の自発的、自治的な活動をそこなうことなく、児童生徒の意志を尊重しながら、学校行事や学級指導における保健指導の成果を生かした実践活動が行われるよう指導する必要がある。

 

4 保健指導における個別指導

 

学級には、集団の場における指導だけでは充分に指導できない児童生徒がいる。このような生徒に対しては、学校医、学校歯科医及び養護教諭等の専門家と一体となった適切な指導が必要である。

 

5 学校生活における保健指導

 

登下校の時間、始業前や休み時間等では、学級指導や教科で指導した保健に関する事柄がどの程度実践されているかを見きわめるとともに、特別な配慮を要する児童生徒を観察し、そのときどきの実情に応じた適時の指導を行う絶好の機会となるので、平素から充分な共通理解を図っておくことが必要である。

 

(三) 安全指導の充実

 

児童生徒の安全な行動の実践及び多くなる交通事故の絶無を期し、特に、「生活安全」と「交通安全」の二点にしぼり、更に安全指導を強めていく必要がある。

 

1 生活安全指導

 

学級指導やホームルーム等で行う安全指導は、児童生徒の発達段階に応じて系統的、計画的に指導するものであり、日常生活におけるいろいろな危険を予期して常に正しい判断のもと、自主的に安全な行動ができるよう指導することが必要である。

小学校の指導内容は、次のとおりである。

ア 始業前、放課後及び昼休み時間等休憩時間中の安全

イ 各教科やクラブ活動などの学習時の安全

ウ 清掃活動等作業時の安全

エ 遠足や修学旅行のときの安全

オ 校外における遊びや運動のときの安全

カ 登下校時の安全

キ 家庭生活の安全

ク 事故発生時の心得等

 

2 交通安全指導

 

学校における交通安全指導は、自他の生命の尊重という基本理念に立って身近な交通環境におけるさまざまな危険に気づいて的確な判断のもとに安全に行動できる態度や能力を養うことが最も重要なことである。

したがって、児童生徒等の心身の発達段階や地域の事情に応じて、学年ごとの指導内容、指導時間を含めた年間計画を再検討し、計画的、組織的に行うことが必要である。

小学校の指導内容は、次のとおりである。

ア 安全な歩行

イ 道路の横断

ウ 乗り物の安全な利用と自転車機能

エ 交通安全施設や交通規則

オ 自転車の安全な利用と点検・整備

 

十、教職員の研修の効率的推進

 

今日、生徒指導上の問題が論議される中にあって、教師の資質の向上、教育活動の充実が求められている。

現職にある教員としては、専門職としての自覚の上に立ち、日々の授業等の充実のため、自主的研修を積み重ねることにより、社会的要請に応えなければならない。また、教育経験の程度に応じ、それぞれの立場での課題をもった研修をのぞまれるところである。

教職員研修が効率的に推進するために、次の四つの点に努めることが重要である。

 

(一) 研修体制の確立

 

 

 


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