教育福島0093号(1984年(S59)08月)-020page

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校内研修を効率的に進めるためには、教師の研修意欲と実践に当たっての組織づくりが重要である。

 

1 研修意欲を高めるための体制づくり

 

教師一人一人が意欲的に取り組むためには、次の事柄を十分踏まえて、意欲づくりの段階から配慮していかなければならない。

ア 教師一人一人の使命感を高めるための方策

イ 教師相互のよりよい人間関係と研修のためのふん囲気づくり

ウ 校内研修の内容・方法の明確化

 

2 研修を効率的に進める

 

ア 研究テーマの設定に当たっては、児童生徒の実態や、教師個々の抱える問題を十分に配慮する。

イ 研修を進めやすいように、形式化をさけ、教育実践と直接結びついて推進されるようにする。

ウ 研修計画を見通しのある確かなものとする。

エ 研修主題や研修方法により、研修の主体が共同研修として組織するのか、学年会、教科部会等のグループ研究とするのかを十分考慮する。

 

3 校内研修の組織づくり

 

ア 研修活動や指導活動の実際の場面を想定し、係分担にむだや重複のないように配慮する。

イ 性別、経験年数、経歴等による特性や個性・特技・専門教科などを生かし、研修の能率向上を図るような組織をつくることが大切である。

 

(二) 研修における評価機能の充実

 

校内研修がより充実したものになるためには、絶えず評価をしながら進めていく必要がある。すなわち、主題設定、計画、実践、成果それぞれの段階で次のような観点をもって評価し、改善を加えながら研究を推進することにより、充実したものとなっていくと考えられる。

ア 主題の評価

○学校の教育目標を達成するため、有効にはたらくものとなっているか。

○主題が全教師の問題意識に支えられているか。

イ 計画の評価

○計画は、学校運営計画の中に位置づけられているか。

○全教師の共通理解のもとに責任分担され計画されているか。

○研修内容や段階、期日などを明示し、無理なく実践できる計画となっているか。

○研修に充てる時間が、年間を通して確保されているか。

ウ 実践活動の評価

○年間を通じ、組織的、継続的に実践されているか。

○到達度、解決事項が明らかにされ、研修の過程で成果が評価され反省されているか。

○個々の教師が責任と意欲をもって研修に参画しているか。

エ 研修成果の評価

○研修の成果が日々の教育活動に生かされ、児童生徒の望ましい変容となってあらわれているか。

○個々の教師が研修をとおして、自己の指導能力の向上に結びつけているか。

○成果が確認されるとともに、改善すべき問題点が明確にとらえられているか。

○今後に残された課題が明らかにされているか。

 

(三) 個人研修の充実

 

「常に学ぼうと努める教師の姿は、それだけでも児童生徒への無言の教育となる」と言われる。

教育活動は、教師と児童生徒との強いきずなを前提に展開されるものであるから、教師の力は、児童生徒の成長に深くかかわってくる。

したがって、自己研修は、すべての教師の生命であるとともに、すべての教育活動の基盤であるといえる。

個人研修が、更に充実したものとするために、常に、次の点に心掛ける必要がある。

ア 研修の意図やねらいを明確にすること。

イ 長期の見通しをもって、計画的に進めること。

ウ 校内共同研修や校外研修の成果を生かすこと。

エ 研修が児童生徒を真に育てるための方途とすること。

オ 記録の累積など、研修の深化を図ること。

カ 先輩や同僚の助言・指導を積極的に受けること。

 

(四) 研修時間の確保

 

研修時間を生みだすためには、各教師の自発性に基づく創意工夫と全教師の協力態勢づくりにより可能となるが、学校運営全体の立場からも考えていかなければならない。

そこで、次のような観点から工夫して、研修時間の確保に努め、効率的運営を図っていく必要がある。

ア 教育課程編成上から研修時間を生、みだす配慮をする。

○研修時間に充てられる時数を算出する。

○月・週行事計画の中に定例的に研修日を設ける。

イ 中学校では、時間割編成上から工夫を加え、学年会、研修推進委員会、教科部会等ができる時間を確保する。

ウ 長期休業時間には研修の時間が十分確保できることと、継続的・集中的に研修が進められるので計画的な

 

 

 


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