教育福島0093号(1984年(S59)08月)-031page
開館にあたって
双葉町図書館
館長 森 秀雄
図書館コーナー
双葉町図書館は県内の各図書館より種々ご指導をいただき、去る七月四日落成式を行い五日より一般に開館することができました。ご指導をいただきました先生方に心より御礼申し上げます。又図書館建設にあたり、旧双葉中学校で教鞭をとられ何かと町と親交のあった文芸評論家臼井吉見先生より種々ご寄贈いただき、「臼井吉見コーナー」を設けることができたことも本館として誇りとすると同時に、先生に感謝しているところであります。
さて楢葉、標葉の昔より文教の地として知られる本町に近代文化施設は特になく、図書館等も公民館図書室として名をとどめる有様でしたが、当町に原子力発電所が誘致され経済的に恵まれてきて、この機に文化施設である図書館建設について種々構想を練り、去る昭和五十七年より着手し漸く今年七月四日落成式を行ったところであります。
本館は双葉町のほぼ中央に位置し、双葉駅より徒歩五分、旧双葉中学校跡地に練瓦風鉄筋コンクリート造りのおちついた色彩で、外観堂々たる近代建築であり、内部は今年度約二万冊の図書、その他参考資料室、読書室等、特に身体障害者用施設も完備され利用者の期待に応えられるものと考えております。蔵書も最終六万冊を目標としております。
双葉町は西は阿武隈山系、東は太平洋に臨み農業を中心とする町でありますが、昭和四十二年九月、東京電力株式会社による福島第一原子力発電所の建設以来、日本のエネルギー供給地として重要な役割を果たしています。それまでは年々人口の減少をたどっていましたが建設を契機に増加し、雇用の増大、税収の増加により生活環境の整備と住民の社会福祉の向上を図り、「光と緑の田園都市」づくりをめざしています。
当図書館には現在四名の職員が勤務しておりますが、今後の運営については、心から地域住民に親しみ愛され利用される図書館づくりに努力していくつもりでおりますので、今後先輩図書館各位の温いご指導をよろしくお願いいたします。
なお、双葉町図書館の概要について紹介いたします。
○所在地・双葉郡双葉町大字長塚字鬼木二〇
電話〇二四〇三三−四二一四
〇敷地面積…七、〇四二平方メートル
○建築面積…九二一・七五二平方メートル
○延床面積…二、一七九・二六五平方メートル
○構造…鉄筋コンクリート二階(一部)建て
※一階 七一六・一九九平方メートル
一般開架室、カウンター、ブラウジングコーナー、児童コーナー、学習室(四十六席)、書庫(開架・閉架)二、機械室
※二階 二二二・一五八平方メートル
事務室、館長室、職員休憩・更衣室、集会室
※その他、共用部分など
○昭和五十八年度購入図書総数 一八、四〇二冊
○昭和五十九年度図書購入予算 三、六〇〇万円
閲覧室と蔵書