教育福島0093号(1984年(S59)08月)-036page

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まちからむらからこんにちは

 

就労婦人の学習活動の充実をめざして

只見町教育委員会

 

はじめに

 

わが町は、福島県の最西端に位置し越後山脈を隔てて新潟県に接する会津最奥の町である。面積七百四十七平方キロメートルの九十四パーセントが山地で占められているうえに、川と橋の多い町である。

毎年減り続ける人口問題が、町の大きな悩みであるが、水力発電(揚水式を除く)では日本一の出力を誇る田子倉ダムを拠点に、豊かな水と緑の自然資源を生かし、そこに美しい人情を加えた、ふるさと型観光を模索し、若者の定住を主眼に町の発展に努めている

本町は、人口の高齢化、就業状況の多様化など、社会構造の変化に伴って婦人の就労化も多方面にわたっている。

今、婦人の就労化が著しく進んでいる中で、就労婦人層は、自分たちが置かれている立場のむずかしさと責任の重さを感じながら、仕事と家業の狭間で、よりよく生き抜く方策をさぐろうとして、グループによる学習活動に取り組んでいる。

 

本町の社会教育は、この就労婦人の学習活動をいかに助長していくかが、今後に課せられた新たな課題であり、重点事業の一つとして施策の推進に努めているところである。

今回は、四年目の取り組みをしている就労婦人グループ「只見こぶし婦人学級」の活動概況を紹介し、関係方面からのご指導をお願いしたい。

 

一、こぶし学級の生いたち

 

現在は、地区全体が農業を営み、家庭婦人が一様に自家農業に従事していた時代とは異なり、現在は多種多様な職業に従事している。現在の婦人は家庭をもつ主婦として、子供の親として種々の問題と悩みを有している。「こぶし婦人学級」は、そんな婦人のために悩みを打ち明け合うところがら始まり、その輪がだんだん広まり、グループづくりが具体化しようとしたとき、只見公民館を通して、昭和五十六年度県の委託学級「只見こぶし学級」として、タイミングよく発足し、着実に実績を重ねながら、今年で四年目をむかえている。

 

二、学習の目標と運営

 

まず、働く婦人が持つ要求課題を集約して「家庭生活や地域社会における婦人の生き方」という学習主題を設定した。

その具体的な目標として

(1)、働く婦人の家庭生活や地域社会の中で、課題を見つけ、よりよい生活設計を考える。

(2)、働く婦人として、必要な知識や教養を身につける。

(3)、働く婦人の家庭と、仕事の両立や

社会参加のあり方について理解する。以上三本の柱を目標とし運営している。

学級は、昼間家庭外において就労する家庭婦人を対象に募集し、二十五人をもって編成した。

学習時間は、夕食後八時から十時までを原則とし、学習の前半は講義形式で、後半は話し合いの形式で、自由に本音を出し合える学習をめざしてスタートしたが、最初の学級づくりには、並々ならぬ苦心をしている。

 

三、学級活動の内容

 

学習は、年間を通して、バランスも考え、毎年度、活動可能な六月ごろから、毎月一回を目標に、年間七回ないし八回の学習会が開かれている。

 

就労婦人の生がいを求めて(学習会)

就労婦人の生がいを求めて(学習会)

 

 

 


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