教育福島0093号(1984年(S59)08月)-037page
学習のねらいは、仕事と家庭の両面を持つ就労婦人としての立場だけでなく、生涯学習の観点から、婦人の各ライフステージの課題に合わせ、学習し続けなければならないという、切実感からである。
急激なテンポで変化する社会に即応しながら、現在をどのように生き、社会に対してどんな役割を果たさなければならないか。二十年、三十年先に必ずやってくる高齢期において、自分自身が生きがいを感じながら、家族の中で、あるいは社会の中で、それなりの役割を果たしながら、意義ある生活を送るにはどうしたらよいか。老後における生き方は、自分自身でつくらなければならないのではないか、等々を念頭において学習にとり組んでいる。
そのために、前述の二に掲げた三つの目標にそって学習の積みあげに努めています。
次に、過去三年間続けてきた学習内容は、概ね次のとおりである。
(1) 就労と婦人に関する学習
婦人が仕事を通しての生きがいや悩みについて話し合い、研修を深め、働く喜びを少しでも感じ取ろうとする努力。また、外に仕事を持ちながら家族の日常生活や健康管理などに気配りしなければならないむずかしさなどを打ち明け合って、少しでもよい方向をさぐる努力など。
(2) 地域づくりと婦人に関する学習
ますます多様化する地域社会にあって、地域の伝統行事やボランティア、さらには新たな地域づくりに婦人として参加できるものはなにか。また深刻化しつつある青少年問題について、母親である婦人の立場からどんな地域活動をすべきか、などにも真剣な話し合いを行っている。
(3) 婦人の教養、娯楽活動の向上に関する学習
就労婦人、家庭婦人を問わず、とかく一番あとまわしにされているのが教養と娯楽面の活動である。
前述したように、婦人の地位が見直されてきている現在の社会にあって、それにふさわしい生き方をするには、やはりたゆみなく研修し、教養を身につけてゆかなければならないこと。そのために各種講演会の聴講。放送利用によるグループ研修の意欲的な取り組みなどである。
また、自分自身の健康増進と、体力向上、ストレス解消の方途として「家庭バレーボール」や「スポーツ民謡」などに積極的に取り組んでいる。
四、学級の問題点と今後の課題
就労婦人の悩みを集約すると、まず子供のしつけ、家族の健康管理、じょうずな時間の使い方、そして自らの生きがいの模索など、多くの問題意識がありながら、実際には、学級に出席することさえも容易でないものがある。
また、時間的な制約で、学習内容に深まりがないこと。家族の理解と協力の不足、学習意欲の低下など、問題点も多い。
今後の課題として、国際婦人年を契機として、男女の社会的平等がさけばれている現状を見るとき、世の多くの主婦が就労し、もはや婦人の就労は当然の社会のなりゆきとみなければならない。今後、もっと広い範囲から就労婦人の学習の必要性を呼びかけ、学級の充実をはかることが大切である。一人一人の婦人が、高齢化社会への対応ができるよう、真の婦人の自立と学級づくりに努めているところである。
以上「只見こぶし婦人学級」の現状を紹介したが、これらの学級を全町的に拡大していきたいと考えている。
豊かな家庭婦人を求めて(話し合い)
食生活改善をめざして(実習会)