教育福島0094号(1984年(S59)09月)-020page
−特集2〜(2)−
社会通信教育の内容と現状
社会通信教育受講者
−研究集会を中心として−
一、はじめに
学校を卒業したら、学習とはさよなら、という時代は終った。ほんとうの学習は、実社会でいろいろな体験をつむことによって始まる。余暇時間を活用して、機会をとらえ、新しい知識・技能や教養を身につけることは、私たち、ひとりひとりの貴い財産となる。社会通信教育は生涯にわたって学習を続けるための学習方法のひとつである。
二、社会通信教育の特色
社会通信教育は、生涯にわたる学習の場として、いつでも、どこでも、だれでも、それぞれ、自分の職業や生活環境に応じて、希望する課程を自由に選んで学習できる特色をもっている
すなわち、◎自主的な学習ができる
◎通信による個人指導が受けられる
◎生活にあった学習計画が立てられる
◎実生活に結びつけながら学習ができる。◎経費が割合節約できる、など、優れた点がある。
三、内容と現状
現在、文部省が認定している社会通信教育実施団体は四十二団体で計一八三課程あり、年間四十八万人の方々が学習している。本県在住の受講者は総数で三、一七二名である。県教育委員会では、例年研究集会を開催し、受講者の多い課程について面接講座を行っている。自学自習においては、スランプに陥ったり、学習が思うように進まないこともあるので、それを解消し、学習効果を促進するために設けられているのが研究集会である。
本年度は去る八月二十六日(日)午前十時から午後三時三〇分まで、県立郡山女子高等学校を会場として開催された。
研究集会の内容、および出席者は、次のとおりであった。
(一)、体験発表
◎テーマ「社会通信教育から学んだこと」
◎発表者 昭和五十八年度
文部大臣表彰受賞者
郡山市 大町 和平氏
白河市 増田 都子氏
(二)、協議
◎テーマ「社会通信教育の継続受講上の問題点は何か」
(三)、面接指導
面接講座 講師氏名 所属・役職
・書道ペン 赤坂参浦 日本書道教育通信
・園芸 横田克明 県立岩瀬農業高等学校教諭
・建築士 内山佳弘 県建築士会責任理事
・実用英語 五十嵐賢治 県立福島高等学校教諭
・保育 橋本正幸 福島女子短期大学助教授
・編物 須田マツノ 洋影編物教育会県支部長
四、出席者数
○書道・ペン十五名 ○園芸三名 ○建築士七名 ○保育七名 ○実用英語五名 ○編物五五名
四、おわりに
社会通信教育を継続する上での主な問題点は、◎時間がない◎能力の限界を感じる◎家族の協力が得られないなどである。しかし、今回の研究集会では、それを感じさせないほど盛会であった。
▲研究集会での体験発表(大町和平氏)
▲書道・ペン講座より