教育福島0094号(1984年(S59)09月)-036page

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に子供の家庭における存在感を高めた。また、子供には、カウンセリング・箱庭療法・運動療法・自律訓練を用い、情緒の安定を図り、自分の行動をふり返えらせ、さらに、職業観を持たせた。

(五) 経過

一ケ月後、身体症状が軽減した。以前の交友関係はまだ続いているが、親子関係が良い方に向かい、両親との会話も増え、また、帰宅時間も早くなった。学級担任にも心を開き始め、遅刻、早退、欠席も少なくなってきている。将来は、自動車関係の仕事をしたいと述べている。全体として、問題行動が少なくなり、表情も明るくなってきた。

 

おわりに

 

本事例を検討すると、各次元に問題行動の原因がみられ、相互に影響していることがわかる。そのため、多次元診断を基にした指導が効果を示したものと考えられる。

今後は、問題行動の現象面だけにとらわれることなく、各専門機関との連携をはかりながら、多次元診断を基にした総合的な指導により根本的な解決を図ることが重要と考える。

 

図4 多次元診断マトリックス

 

 

 

 


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