教育福島0095号(1984年(S59)10月)-009page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

を学習し、歴史的事項や事象を理解させたのちに、主題として例えば「原始・古代」の場合、「原始・古代における地域社会(須賀川・岩瀬地域)の歴史と文化がどのように解明されているか調べてみよう」という課題を与えて生徒自身が調査・研究をすすめ、その調査・研究の成果を報告させる課題学習の授業形態で実施した。このように大単元の終了後、大単元ごとに四回の課題を与えて調査・研究の学習活動をさせた。また、授業配当時間は各課題ごとに三時間で、「地域社会の歴史と文化」に充てた総授業時間数は「日本史」四単位、一四〇時間中、十二時間である。

(2)学習内容の取扱い

「地域社会の歴史と文化」の学習内容を取り扱うにあたり、留意すべきことは次のとおりである。

1)地域社会をどの範囲までに限定するか。

2)歴史的事象をどの程度詳細に扱うか。

3)時代区分をどのように配分して学習内容に取り入れるか。である。今回の実践では本校の生徒の実態を考え、地域社会を理解できる内容として取り扱った例を示してみると次のようになる。

「原始・古代の調査・研究事項」

1須賀川市内の縄文遺跡調査

2須賀川市内の弥生遺跡調査

3須賀川市内の高塚古墳遺跡調査(図1))

 

図1) 須賀川市内の高塚古墳遺跡調査

1、古墳期の遺跡を地図上に記入しよう。(古墳期の後期の遺跡多し)

 

1、古墳期の遺跡を地図上に記入しよう。(古墳期の後期の遺跡多し)

1) 大塚古墳(前田川字上大塚)

2) 大仏古墳群(和田字大仏前)…15号墳・塚畑古墳址

3)蝦夷穴古墳(和田字蝦夷穴)

4)団子山古墳(日照田字入の久保)

5)稲荷神社古墳(市野関字前田)

6)前原古墳群と上川原古墳(堤字字上川原)

7)泉田作田古墳群(泉田字作田)

8)オサン壇古墳群(大桑原字西の作)

9)一斗内古墳群(越久字一斗内)

10)竜ケ塚古墳(天栄村大字白子字今坂)

11)跡見塚古墳群(岩瀬村柱田)

12)神成横穴古墳群(仁井田字神成)

13)梅田横穴古墳群(西川字梅田)

14)大仏横穴古墳群(和田字大仏前)

2、上記の遺跡のうち一つを選び調査して下さい。

1)五万分の一の地形図で遺跡の立地と環境を調べよ。

2)遺跡の実測図を示し古墳形態を調べよ。

3)遺跡の出土品を調べ、写真・スケッチで記録しなさい。

4)遺跡より当時の衣食住を想像して記せ。

5)埋葬者や当時の信仰について考察しなさい。

6)阿武隈川・釈迦堂川・広戸川・江花川・滑川・実取川流域から文化流入経路を考察しよう。

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。