教育福島0095号(1984年(S59)10月)-025page

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させていき、めあて意識や課題意識を育てるような展開の仕方が大切である。(表5)

生活単元学習の指導を進めるに当たっては、次の点に留意したい。

○ 児童生徒の興味、要求、問題意識等を的確に把握し、単元の活動に進んで参加できるように援助すること。

○ 児童生徒の個人差に応じられるように、多様な活動を用意し、個人の能力に応じて力いっぱい取り組めるようにすると共に、集団の一員として、協同して課題解決に取り組めるような意識を育てること。

○ 単元の活動に対する関心、態度、技能等の成果が、単元終了後の生活や学校外での生活にも生かせるように配慮すること。

 

表4 日常生活を構成する活動と指導内容

表4 日常生活を構成する活動と指導内容

 

3)作業学習

作業学習とは、「作業活動を学習活動の中心にすえ、児童生徒の働く力ないし生活する力を高めようとする指導の形態」である。

作業学習は、一定の職業につくために特定の技能を習得させたり、技術の向上を図ったりする狭い範囲の指導を意図しているのではない。

作業学習は、児童生徒が、将来、職業人、社会人として自立してゆくために必要な、職業についての基礎的理解や適性の発見、望ましい作業態度や生活態度、人間関係の育成等をねらいとして進められる。

また、作業学習は、領域・教科を合わせた指導の形態の一つであるので、指導内容面でも、単に職業・家庭科(あるいは職業科、家庭科)の内容にとどまらず、他の各教科、道徳、特別活動、及び養護・訓練にわたって、必要な内容を統合したかたちで、取り扱うようになる。

働く力を高める活動は、前述の日常生活の指導や生活単元学習でも扱うが、作業学習における働く活動は、労働性の強いものなので、作業学習は、中学部と高等部で扱うことが多い。

作業学習で取り扱われる作業種目は農耕、園芸、養畜、養魚、紙工、木工、縫工、紡織、金工、石工、窯業、セメント加工、印刷、製本、農水産加工、調理、洗濯、販売、清掃など、いろいろある。

作業学習の進め方には、二つのタイプがある。その一つは、生活単元化した作業学習で、作業単元学習と呼んで、生活単元学習と区別することが多い。

もう一つは、一定の作業活動を、年間を通してほぼ恒常的に継続する作業学習である。作業班として、木工班、縫工班、農耕班などを設け、生徒をいずれかの班に所属させて、作業活動に取り組ませることが多い。

なお、校内で一定期間、集中的に進める作業学習もあり、校内実習と呼ばれている。また、会社や作業所などで一定期間行う作業学習もある。これは、職場実習、校外実習、現場実習などと呼ばれて、いる。

 

 

 


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