教育福島0095号(1984年(S59)10月)-035page
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特集〔2〕
学習指導の展開
=小・中学校=
学習指導の展開に当たっての各教科等の重点並びに基本的な考え方や留意事項等については、本誌二・三月号及び八月号に述べた。
ここでは、文部省及び県教育委員会指定教育課程研究校の実践例を紹介する。
ここに挙げた三校は、それぞれの学校の教育目標の具現と、当面する課題の解決へ向けて、教育課題の編成及び実施について研究を深め実践を積み重ねている学校である。
各学校の研究の推進及び学習の展開に示唆を与えるものとなろう。
地域社会の中で、人と物と自然とのかかわりを豊かに体験させるための合科的な指導はどうあればよいか。中核教科(社会科・理科)
会津若松市立城北小学校
昭和五十七年度より二か年間、「人間性豊かな児童を育成するためには、教育課程の編成等においてどのような工夫をしたらよいか」の研究主題を設定し、教育目標達成のために、より望ましい教育課程のあるべき姿を模索し、その改善、充実を図ってきた。
教育課程の編成と実施に当たっては、特に「自己実現を果たせる、ゆとりとうるおいのある学校生活の創造」と、「自己実現を促すような充実した学習指導の推進」の二つに研究内容を焦点化した。その研究領域として、国語科・図画工作科・合科的な指導・創意を生かした教育活動の四つを選び、主に授業実践をとおして指導法の改善・充実を図ってきた。
ここでは、特に低学年における合科的な指導に関する研究を中心に実践の概要を述べる。
一、基本的な考え方
(一) 主題にこめる教師のねがい
子供たちは、人と物と自然との出会いの中から、実に様々なことがらを体験的・発展的に学びとっていくものである。そこには、理科・社会科で学習するような分科された教科内容としての知識や技能を学びとるだけの活動にとどまることなく、教科の垣根を越えた人間の生き方にまでおよぶ総合的な活動が存在する。
多様な活動の広がりと問題意識の連続は、学習課題に対して立ち向かう姿勢を、意欲的にしかも主体的にさせてくれる。さらには、体験に基づく学習が、豊かな直観力とたしかな判断力を生み、根気強い探究的な学習態度を形成させてくれる。本校ではこうした願いをこめて主題を設定した。
(二) 合科的な指導でめざす児童の姿
(1) 教科の枠をこえた豊かな発想や多面的なものの見方・考え方ができる子供。
(2) 体験的な学習活動を通して、主体的に学習にとりくめる子供。
(3) 生活に即した身近な問題への取り組みを通して、実際的な問題の解決に立ち向かうことのできる子供。
(4) 同じ体験をすることによって、仲良く、協力して学習をすすめることのできる子供。
二、研究内容と方法
(一) 研究内容
(1) 合科的な指導における本校の基本的立場の確立
(2) 学校教育目標の具体化にせまる合科的な指導のねらいの設定
(3) 合科する教科の指導内容・目標・配当時数の検討と合科的な指導の単元構成
(4) 指導内容の関連性と時間配分の調和を考慮した年間指導計画の作成
(二) 研究方法
(1) 合科する中核教科及び関連教科の基礎的・基本的事項を明確にする。
(2) 児童の自主的な学習活動が助長されるよう、多様な活動を効果的に取り入れる指導法の工夫を図る。
(3) 直接体験させる活動が十分できるよう、自然環境や校舎内外の施設・設備の活用を工夫する。
(4) 合科的な取り扱いをする事項と教科指導で取り扱う事項を明確にした指導内容の年間計画を作成する。
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1年 さてつあそび「さてつで、お父さんのひげをつくつてやろう」
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