教育福島0095号(1984年(S59)10月)-040page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

(2) 「ひとり学習」の導入により、児童一人一人が能力に応じて課題に取り組み、その後の「相互学習」においても、深い読みに支えられた話し合いができるようになってきた。また、教師の制御も極力削減する姿勢が見られ、児童の主体的学習態度や意欲が大きく向上した。

(二) 今後の課題

(1) 他教科の年間指導計画の整備

(2) 授業の質的改善を求めた継続研究

 

五、研究の充実と発展を求めて

 

二年間にわたった研究の充実と発展を求めて、今年度は次の点に努力している。

(一) 授業研究を通した社会科の年間指導計画の作成

(二) 国語力を高める指導法の研究

(1) 課題づくりの時機をどうするか。

(2) 「ひとり学習」を充実させるための指導の手立てはどうあるべきか。

(3) 読みを深めるための語句の指導はどうあるべきか。

 

生き生きと学習に取り組む生徒を育てるにはどうしたらよいか。

〜生徒が意欲的に考え、積極的に活動できる学習の展開〜

 

白河市立白河第二中学校

 

一、基本的な考え方

 

学習指導要領、生徒の実態、現代的要請をふまえ、学校教育目標の具現化を図るため、本研究主題に取り組んでいる。

「生き生きと学習に取り組む生徒像」を意識・態度・行動の三つの観点からおさえる。(資料1)

 

資料1 生き生きと学習に取り組む生徒像

二、研究の内容及び方法

 

二、研究の内容及び方法

 

(一) 研究内容

(1) 指導過程の組織化を図る。

1) 教材の精選、指導内容の重点化

2)教科、教材の特質に応じた指導過程の工夫

3)評価の機会と方法の工夫

(2) 学習方法訓練を図る。

1)基礎、一般学習訓練の徹底

2)教科、教材による学習方法の検討改善、訓練

(二) 研究方法

(1) 日常の授業を通して実践する。

生き生きと学習に取り組む生徒像を視点に観察する。

(2) 全体授業研究(年3回一を通して検討し、改善につとめる。

(3) 教科部会、研修委員会、全体研究協議会において、主題にせまるため有機的に研究を深める。

 

三、研究実践の概要

 

(一) 指導過程の組織化を図った。

(1) 教材の精選、指導内容の重点化(資料2)

1)手習指導要領に示されている各領域、単元目標、内容をおさえた。

・教科の目標、学年の目標、内容の取り扱いを項目ごとにまとめ、関連が明確になるよう図式化した。

2)教科書教材の吟味と指導内容の重点化を図った。

ア単元、題材の吟味を行い目標をおさえる。

イ単元、題材の構造をおさえる。(資料3)

・教材の中心的な考え方(中心観念)を設定する。

・中心観念を支えている重要事項(基本要素)を取り出す。

・基本要素をとりまく具体的学習事項(具体要素)を取り出す。

・学習課題の解決にあたって駆使されるべき既知の基本的な知識、理解、技能など(前提条件)を考える。

ウ単元または題材の目標の具体化を図り、一単位時間の到達目標を引き出し、単元指導計画に生かす。

エ生徒の実態(既有知識や技能、考え方、興味、関心等)を調査し、単元指導計画や授業に生かす。

オ本時の学習目標を明確にし、到達目標として設定し、一単位時間の指導過程に下位目標を位置づけ、学習指導案を作成する。

(2) 教科、教材の特質に応じた指導過程の工夫

1)指導過程の類型を明確にした。

・各教科、教材の特質に応じて、知識・理解を中心とした、技能習得

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。