教育福島0095号(1984年(S59)10月)-056page
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美術館だより
常設展観覧料の減免と各事業案内
県立美術館が開館して二ケ月余り経ちました。
芸術の秋たけなわ、館も連日にぎわいを見せています。
さて、今回は観覧料の減免について紹介し、皆様に効率よい利用を図っていただきたいと思います。減免の対象となるものは常設展に限りますが、該当するものは次のとおりです。
一、学校教育に基づく活動として学生、生徒、児童が観覧するとき。(学校長が学校行事として承認した美術の鑑賞会、研修会等が対象)
二、県、又は市町村が主催する講習会、講座等の活動として観覧するとき。(公民館活動も含み、美術の鑑賞会、教養講座等が対象)
これらは、いずれも普通観覧料の半額になり、引卒者は無料です。さらに、団体(二十名以上)の場合は所定の割引後の半額となります。減免の手続きは、観覧しようとする日の三日前まで観覧料免除申請書を館長に提出し、承認を受けていただきます。申請書は美術館に請求して下さい。
美術館は今月も盛り沢山の催し物があります。
◇常設展=十月より展示替えになりした。 (全作品の入れ替えではありません)
◇企画展=現代東北美術の状況展(十月十三日(土)〜十一月十八日(日)十一月三日(土)は、この展覧会に関連するシンポジウムを開催します。
◇公開制作=十月二十日(土)〜二十一日(日)実作家の制作過程を公開します。
◇美術鑑賞講座“美術史や作家等に関して系統的な講座を開き、学芸員が解説します。十月より原則として第一、第二土曜日午後一時三十分からです。お気軽においで下さい。
◇銅版画教室=受講者は満員になり、毎土曜日の午後、実習をしていますのでご覧下さい。
◇映画会=十月二十八日(日)午後一時三十分より
以上芸術の秋にふさわしく館活動もフルに展開しています。ご来館をお待ちしております。
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(親と子の美術教室)親の方が熱中……
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(親と子の美術教室) 親子ねんど
収蔵作品紹介2)
「ラッキードラゴン」
ベン・シャーン作
ベン・シャーン(一八九八〜一九六九)は、今世紀のアメリカを代表する画家の一人です。
シャーンは社会問題に強い関心を寄せた画家でした。 「サッコとヴァンゼッティ事件」や「ドレフュス事件」などの冤罪事件を主題にした作品や労働者の生活を描いた「WPAサンデー」などが彼の代表作です。また、彼はグラフィックデザイナーの草分けとしても知られ、数多くのポスターも制作しています。
一九六〇年に来日したシヤーンは、「第五福龍丸事件」を取材し、帰国後十一点の連作を描きました。それが、「ラッキードラゴン」シリーズです。「私は漁師。名前を久保山愛吉といいます。一九五四年三月一日、私たちの漁船福龍丸は、ビキニ環礁から八○マイルの地点で原爆の雲の下を航行中でした。私と私の友人たちは被爆したのです。私たちは自分の身に何が起きたのかわかりませんでした。その年の九月二十三日、私は被爆のために死にました」ベッドに腰かけた久保山さんが手にしたカードにはこう書かれています。この作品はシャーンの人間としての姿勢がはっきり示されているとともに、微妙な免彩と大胆な構図で、私たちに強い印象を与えます。
(制作年 一九六〇、紙・テンペラ 二一三・四×一二二・〇cm)
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