教育福島0096号(1984年(S59)11月)-008page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

=特集=

 

福利厚生の充実

 

はじめに

 

はじめに

 

教職員の福利厚生については、地方公務員法において、厚生制度(同法第四十二条)及び共済制度(同法第四十三条)の二つが定められている。

厚生制度は、地方公共団体が使用者の立場で、健康、元気回復、その他厚生に関する事項を実施するものである。その内容は、法令に定められているものの他、地方公共団体の自主的な実施に任せられているところであるが、一般的には、健康診断、レクリェーション事業、教職員住宅建設事業などが行なわれている。

共済制度は、職員の相互救済を目的とした制度であり、共済組合が、病気、負傷、出産、休業、災害等に関する給付及び退職後の年金給付等の福祉事業を行っている。

 

一、教職員の健康管理事業について

 

教職員の健康管理事業については、教職員を対象とした多くの福利厚生事業のなかでも最重点事業として県教育委員会、公立学校共済組合及び教職員互助会の三者が緊密な連携を図りながら例年鋭意実施しているところである。

これら健康管理事業をより効果的に実施するためには、教職員の皆様方の事業に対する理解が肝要である。ここに教職員の健康の現状と事業の概要等を述べるので当該事業に対する理解と御協力を願いたい。

 

(一) 教職員の健康状態について

 

ア 健康状態の認識

健康管理事業を推し進めるうえで重要なことは、教職員の健康状態はどのような状況にあるのか、という現状の認識である。現状を認識することによりどのような健康管理事業を推進しなければならないか、おのずと結論が導き出せるからである。

しかし、健康状態の現状認識となると極めて難かしい面がある。尺度とすべき客観的基準を何に求めるか諸々の意見が有り基準の確立化に絶対的指標がなかなか見い出せないからである。また、相対的に健康状態を判断してもそれは一面を捉えるだけであり用いる資料等にも限界がある。

当然、長生きできるかどうかという寿命が一般的には健康状態の尺度とされている。しかし、寿命を健康状態の尺度とした場合に世界一の平均寿命を誇る日本人は、果たして世界で一番健康であるといえるだろうか。甚だ疑問が出てくる。何故なら一つの事由として心という内面的健康を無視しているからである。

世界保健機構の健康憲章の一章に「健康とはたんに疾病または病弱の存在しないことではなく完全な身体的・精神的および社会的に好調な状態」とある。

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。