教育福島0096号(1984年(S59)11月)-033page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

が見られた。

6)多面的な評価法の研究がなされ、従来のテスト中心の評価法が改善された。

 

(三) 今後の問題点

1)生徒に興味、関心を持たせて積極的学習を高めていく指導法はさらに研究改善を進めなければならない。

2)習熟度の高い生徒をその適性に応じて、より効果的に学習させるための指導法の研究を進める必要がある。

3)一部生徒が差別感を感じている等の解決すべき問題点が明らかになり、これらについては今後検討改善を図らねばならない。

4)時間割の編成上かなり無理があるので、少しでも緩和する方策を考える必要がある。

5)習熟度別クラス編成により、生徒のHRへの帰属意識が薄れ、HR運営上支障がある。

6)生徒および教員の作業量がかなり増えているので、適切な解決を図っていかなければならない。

 

四、教科ごとの研究成果

 

〔数学科〕

(一) 研究小主題

「習熟の程度に応じた数学1)の指導について」

 

(二) 研究小主題設定のねらい

本校生のこれまでの進路はおおよそ進学八○%、就職二〇%であり地域では進学指導充実に対する期待は大きい。しかし、実態は入学する生徒間の学力差が大きく、また学習意欲に欠ける生徒が多いので習熟度別学習指導のあり方についてより深く研究し、これによって学習の個別化を図り、主体的に学ぶ態度を習得させるとともに学力向上に役立てようとするものである。

 

(三) 実施学年、実施科目、単位数、学級、編成形態等第一学年、数学1、5単位、習熟度別学級編成(第二、三学期の全授業時間)

 

(四) 研究実践内容

 

1)編成方法と編成替え

二学期の初めに一年生六クラスを二クラスずつに分け、それぞれのクラスを三講座に分けた。講座編成に当たっては本人の希望を十分に生かすようにした。各講座の人数はα講座は二十名程度、β講座は三十名程度、応用講座は四十名程度とした。編成替えは二学期中間と三学期始めの二回行ない、生徒の動揺等を考慮して、特に著しく成績の上がった者及び下がつた者五名程度に留めた。 (表2参照)

 

表2 習熟度別学級の編成方法

表2 習熟度別学級の編成方法

 

2)講座ごとの到達目標の設定と指導内容

(ア)一学期の学習内容に対する習熟の程度と生徒の希望を考慮しながら編成した。α講座、β講座、応用講座について、それぞれの講座ごとの到達目標を以下のように定めた。(表3)

(イ)指導内容については教科書の内容を柱に、各講座に合った内容に組み替えるとともに、生徒が理解しやすいような形に作りあげた。

α講座=教材の精選を行い、基礎的、基本的事項の理解に重点を置く。

β講座=基礎的、基本的事項の理解に重点を置きながら、簡単な応用問題が解けるようにする。

応用講座=基礎的、基本的事項の理解の上に、さらに応用問題が解けるようにする。

 

数学の習熟度別授業風景

数学の習熟度別授業風景

 

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。