教育福島0097号(1984年(S59)12月)-013page
今後の文化センターの役割と機能を原点に立って、検討を加えながら、関係機関、団体等との連絡協調をはかりつつ「動く文化センター」事業として、少年劇場、親子劇場等の舞台事業を初め文化講座、各種研修事業等に至るまで幅広く実施した。
特に文化庁移動芸術祭、音楽公演等の、中央の優れたものを、しかも低廉な料金で、県民が均しく、その機会を得るよう配意した。また歴史等に対する認識と理解を促す各種調査、研修会、展示会等の事業を展開し、好評を呼んだ。
次に五十八年度の当館の利用状況であるが、利用入場者総数三十二万余人で前年度対比で七%の減少をみている。
施設別の主な利用をみると、文化会館の、大ホールが百三十三回一十八万六千余人)で利用回数は増加しているが、利用者は五%の減少、小ホールが百七十四回一四万八千余人)で回数も増加しており利用者数も七%程増加している。その利用内容は約五〇%が音楽会の利用でトップを占め、演劇、式典大会、講演会、映画の順になっている。
美術博物館では、美術展等で二階展示室が十六回一一万八千余人一三階展示室が十二回一四万六千余人一で、美術博物館の最終展覧会にふさわしい、フランス近代絵画展、一水会展、院展等が開催された。
また歴史資料館は収蔵資料展等が開かれ五千余人の利用者があった。
いづれの館も多目的ホールとしての特徴を生かし、利用者の要望に応え得るものとなった。
十三、福島県立美術館
福島県立美術館は、県民の期待の中で、本年七月二十二日に開館した。当日挙行された県立図書館と合同の開館記念式典は、関係各位多数の出席のもとで盛大に行われ、美術品等の寄贈者に県知事から感謝状が贈呈された。式典の後、玄関前にてテープカットがあり午後一時より一般公開された。
美術館では、企画展、常設展、講演会、各種の講座等を開催し好評を得ているが、以下は五十九年度事業の概要である。
1、企画展
(1) 開館記念展第1部「生きること・描くこと、戦後の名作にみる人
表6 昭和59年度県文化センター事業