教育福島0097号(1984年(S59)12月)-032page

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わたしの研究実践

 

理科学習におけるノート指導と自己評価

 

会津若松市立鶴城小学校教諭

加藤 紘一

 

一、研究の趣旨

自ら問題をとらえて追求する児童を育てるにはどうすればよいか。また、児童の活発な発言のやりとりがあり、授業記録としてT・Cで書き表すと大変うまくいったように見える授業でも実際には学級の三分の一にも満たない一部の児童が活躍しているにすぎない、特に高学年になるとこの傾向が強くなってくる。

果たして、日立たない児童は、どのように学習に参加し、認識を深めているのであろうか。どの児童も、事物・現象に接し、驚きや疑問を抱き、友達の考えについてつぶやいたりしているはずである。それを今まで軽視してきたのではないか。

一斉授業の中で何人かの児童の活躍によって学習目標が達成できたように見えても、一人一人の児童に科学的な物の見方、考え方、扱い方が育っていかなければ、理科学習指導がうまくいったとはいえない。

以上のような問題意識をもって、理科学習指導法の改善とノート指導、自己評価に焦点を当てて実践してみた。

二、研究の仮説

理科学習における問題解決のパターンをわかちせ、ノート指導を大切にした学習訓練を適切に行えば、自ら追究する児童が育つであろう。

三、研究方法・内容

(一) 追究する児童の姿を想定する。

理科学習を通して育てていきたいと願う児童像はどのようなものか、指導目標を児童の姿に置きかえて明らかにする。

(二) 観点別分析表を作成する

単元の目標を指導要領に照らして、観点ごとに分析し、毎時間の授業の中で育てていこうとする能力を明らかにする。すなわち、毎時間ごとに認識の過程を想定し、知識理解、科学的思考、観察・実験の技能、関心・態度、育てたい児童の姿の五項目に分けて書き表す。

(三) 問題解決学習のパターンを作成する。

理科学習のし方をわからせるために「理科の勉強のすすめ方」を作成し、児童のノートに貼付させる。また、学習訓練のために、発表のし方や、グループでの話し合いのし方などについてモデルパターンを作成する。

(四) ノートのモデルパターンを作成する。

板書の丸写しや、めあてと事実、結果だけのノートでなく、児童の認識のありさまや、発表されなかった考えや、つぶやきをも浮きぼりにできるような個性のあるノートづくりをさせる。

(五) 学習チェックカードを作成する。

学習後の自己評価だけでなく、授業時間の中で、一人一人の児童が自分自身に問いかけて、自分の認識のありさまや学習の様子をチェックしていくための自己評価カードを作成する。

(六) 授業研究単元を設定する。

 

資料1 理科の勉強のすすめ方

 

 

 

 


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