教育福島0097号(1984年(S59)12月)-035page

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案を作成した。

3) 相補学習のモデルをつくり、グループでの話し合いの方法をわからせて、自分たちの力で社会事象の追究ができるように計画した。(略)

4) 表現活動は、ねらいをはっきりさせて、具体的な内容の活動ができるように計画した。(略)

(4) 検証授業の実際

「田や畑ではたらく人たち」の実践

1) 三つの指導の手だての確立

ア 体験学習

(ア)農家見学と仕事の観察、農機具に触れ、試乗体験をした。

(イ)プラスチックの工具箱で米づくりをした。

(ウ)植木鉢でピーマン栽培をした。

イ 比較学習

(ア)農家と自分の家の比較をした。(5月)

(イ)農家の稲苗や刈り取った稲と自分たちが育ててきた稲苗や稲束の比較をした。(7・9・10月)

(ウ)農家のピーマン苗をゆずり受けて来て、自分が育ててきたピーマン苗との比較をした。 (7・9月)

ウ 相補学習

体験学習や比較学習で気づいた事や考えた事を一人一人が出し合い、農家の人たちの工夫や苦労、そして、自然条件の利用について相補学習のモデルに従い進め深めた。

2) 指導過程(検証授業1)

三つの指導の手だての効果をさぐるために検証項目を位置づけ作成した。(表2)

 

表2 指導過程(検証授業1)例部

表2 指導過程(検証授業1)例部

 

3) 授業の実際(略)

4) 授業の分析と考察(抜粋)

ア 分析2 比較学習による事象のとらえ方(図1)

 

図1 比較学習は多面的に事象をとらえるか

イ 分析2の考察

 

イ 分析2の考察

低学年の児童に一つの事象を教師の説明だけで、とらえさせるのは、むずかしすぎる。

児童は、部分的、断片的なとらえ方をしがちなので、比較させることによって事象を具体的にとらえさせ、見方を養い認識を深める必要があることがわかった。

5) 授業の結果

低学年の児童にとって、体験学習による、ことばや用語等のつまずきを排除したことは、学習内容の理解を容易にさせるばかりでなく、学習を生き生きとさせ、自らの力で積極的に追究することに役立つことがわかった。

比較の学習は、これまでの体験学習をさらに深化させながら社会事象を追究させることができるのがわかった。

また、低学年でも適切な指導により、グループ学習をさせれば、それぞれが意見を出しながら相補し合うことがわかった。学習を具体的にして、三つの指導の手だてをふむことは、効果があった。

 

五、研究の成果

三つの指導の手だてを位置づけた活動により学習内容をとらえる、気づく、深めるなどの手順をとおして思考のつまずきを排除し、児童自らが社会事象の意味を追究するようになってきた。

(1) 児童の変容

1) 用語やことばによる学習のつまずきは、体験学習や比較学習によって除々に排除されて、自らの力で社会事象のはたらきに気づく学習ができるようになってきている。

2) 相補学習をとおして、自分たちで課題をとらえ、協力し助け合いながら、社会事象を追究しょうとする姿勢がみられるようになってきた。

 

六、今後の課題

三つの指導の手だての効果をとらえる評価の方法が主観的になってしまった。

客観的な評価基準のもとで実践を積み重さねて、研究を確かなものにしていきたい。

 

 

 


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