教育福島0098号(1985年(S60)01月)-007page

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いは青少年スポーツ活動の充実、」青少年教育施設の整備等、青少年健全育成のための事業をより一層充実して参りたいと考えております。

第三は「豊かな人間性と創造性をはぐくむ学校教育の推進」であります。

経済の高度成長に伴う物質的な豊かさのみを追求する風潮や価値観の多様化などの中で、ともすれば、他人に対する思いやりの心の欠如、社会の一員としての連帯感の希薄化に見られるように、児童生徒の豊かな人間性の育成が阻害される傾向にあります。一方、我が国の学校教育には、すべての児童生徒に同じ到達目標を与え、その達成を等しく求めるなどの、平均的で画一的な一面があり、個性の伸長と創造性の育成という点では、必ずしも十分でないという指摘があります。

このために、生徒指導資料の作成配布、集団宿泊学習や部活動の一層の充実を図るとともに、児童生徒一人一人の能力・適性、進路などに配慮し、多様で、ゆとりある教育活動を展開して、豊かな人間性と創造性の育成に努めて参りたいと考えております。

また、技術革新、国際化社会に対応して高等学校における学科の転換、情報処理教育の充実に努めるとともに、国際交流推進研究学校を指定するなど、国際理解教育の充実に努めて参りたいと考えております。

第四は「障害をのりこえ、社会参加をめざす養護教育の推進」であります。

心身に障害をもつ子どもの教育に対する社会の関心が高まる中で、適正な教育措置や教育諸条件の一層の整備が必要となっております。

このために、全市町村に設置されている心身障害児就学指導審議会の機能の強化を図るとともに、交流活動の地域社会への拡大とその内容の充実、あるいは社会参加の機会の拡充に努めて参りたいと考えております。

また、心身障害児の特性に応じ、各障害別の道徳教育及び特別活動の指導資料の作成配布、生徒指導の手引の作成配布などにより、養護教育の一層の充実に努めて参りたいと考えております。

第五は「心のふれあいと生きがいに満ちた社会教育の推進」であります。

急激でしかも複雑に変化する社会にあって、県民一人一人が人間として充実した、より生きがいのある生活を送るためには、生涯の各時期において、あらゆる機会を利用してそれぞれの生活課題や学習要求に応じた学習を続けていくことが求められており、社会教育への期待は、ますます強くなっております。

このために、家庭教育相談事業、高齢者生きがい促進事業など社会教育事業の充実、高齢者人材活用事業など民間有志指導者の養成確保、社会教育施設の整備充実等を図って参りたいと考えております。

第六は「伝統を生かした地域性豊かな文化活動の推進」であります。

近年の急速な経済成長に伴う物質文化の発展や高齢化社会の進行に伴い、教養や趣味のための学習、芸術鑑賞や創作活動など、心の豊かさを求めて、県民の文化活動が活発化しております。

このために、家庭劇場、県芸術祭など、優れた文化にふれる機会や参加する文化活動の充実を図るとともに、中世城館跡の調査、諸職技術調査など、計画的な文化財保存調査を実施して文化の伝承の充実に努めて参る考えであります。さらに、県立博物館の建設推進など、文化施設の整備充実に努めて参る考えであります。

第七は「健康で活力ある生活をめざす保健体育・スポーツの推進」であります。

現代における社会・経済の著しい発展により、生活水準が向上したものの、その一方で、体力の低下をはじめ、成人病の増加など、健康にかかわる多くの問題が生じております。

このために、学校保健体育指導のより一層の改善充実に努め、児童生徒の体格・体力の向上を図るとともに、生涯スポーツを目指して諸条件の整備を図り、県民の健康増進及び体力づくりを積極的に推進して参りたいと考えております。

また、昭和七十年の第五〇回国民体育大会の本県開催に向けて国体準備委員会などを設置し、国体開催のための総合計画の策定を進めて参りたいと考えております。

以上申し上げました七つの項目は、今年の県教育委員会重点施策の柱でありまして、これらの施策を遂行するため、全力を傾注して参る所存であります。

皆さんには、教育を取り巻く環境がますます厳しくなる中で、健康に十分留意されまして、教育に寄せる県民の期待にこたえるため、一丸となって努力されますよう希望いたしまして、新年のごあいさっといたします。

(仕事始めの式・教育長あいさつより抜粋)

 

 

 


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