教育福島0098号(1985年(S60)01月)-033page
線を巻いて、磁針のふれ方を調べるように書いてあるので、その通りにやってみようとするがうまくいかない。
そこで、自作のコイル実験器を提示して見せた。(写真)
−−小集団への提示2)
「先生、だいたいつきとめたよ」という声は、極のでき方調べのグループである。
「乾電池の+−を反対につなぐと極のでき方が変わるよ」
「やったね。じゃ先生の電磁石でも
やってみてくれるかな?」と言って、二つの電磁石を渡した。
電磁石を作るときに、ほとんどの児童が右巻きに導線を巻いているのがわかっていたので、左巻きのものを用意しておいた。
「ほらね、こうつないで方位磁針に近づけるとN極が逃げるでしょ。だからボルトの頭の方はN極だよ。乾電池を逆にするとほら、極が変わるよ」
「もう一つやってみようか。みんな同じだよ。あれ?おかしいな」
「極が変わっちゃったよ。どうしてかな?」と言いながら、何度か確かめた末、導線の巻き方が逆になっているためであることをつきとめていった。(写真)
(4)「アドバイスをしてあげよう」
−−小集団の情報交換1)
第一小単元の二時間日が始まった。前時でそれぞれ、コイル、心、極のひみつをつきとめた児童は、自分の学習順序によって次の課題に取り組むのである。お互いにやり方の情報交換をしてから、自分の調べ方を書いたノートを見直し、本時のグループを編成して友達といっしょにつきとめに入っていった。
(5)「どんな結果だった?」
−−小集団の情報交換2)
学級全体でのまとめの話し合いは、小単元の終わりでやることになっている。一時間ごとのまとめは、同じ課題で取り組んだグループ同志が集まって話し合うのである。(写真)
児童は、自分のノートを持ち寄り、課題ごとに三つの集団を作った。その中で、司会者に選ばれた児童を中心に実験結果の情報交換が始まった。三箇
あれ、先生の電磁石へんだよ。
同じ課題のグループが集まって司会者中心に話し合う
資料3 小集団の情報交換
〈コイルグループ〉
(司会) 「どんな結果が出ましたか。発表してください」
(A児) 「一回巻きが70で二回巻きが90、三回巻きが:::になりました」
B児、C児と結果が発表されていった。
友達の結果について「エッ、そんなに動かなかったよ」という声も聞こえる。
(教師) 「どうまとめたらよいか話し合ってごらん」
(司会) 「グループによって結果が違うのですがどうしたらいいですか」
(B児) 「近づけ方によっても違うし、針が動くのでいろんな結果が出たと思います」
(D児) 「でも、みんな巻く数が多くなると方位磁針のふれる角度が大きくなるるといえるんじゃないの?」
−−というようにまとまっていった。
〈心グループ〉
(司会) 「どんなものを入れたときに電磁石になりましたか」
(E児) 「木を入れたらやっぱりつかなくて、ガラスやアルミもだめでしたが、銅と鉄を入れたらクリップを引きつけました」
(F児) 「鉄の針金とボルトとくぎだよ!」
(G児) 「銅は方位磁針は少し動いたけど砂鉄を引きつけなかったよ」
(H児) 「さびたくぎを入れても引きつけたので驚きました」
(司会) 「私達も鉄に関係した物だけがついたのですが、Eさんどうですか?」
(E児) 「もう一回確かめてみます」ということになった。
〈極しらべグループ〉
(司会) 「ぼくたちは、二つのグループだけですが、1さんどうでしたか」
(I児) 「私達は乾電池のプラスとマイナスを入れかえるとN極ができたり、S極ができたりすることがわかりました」
(J児) 「K君のとぼくの電磁石の結果がへんなのでよく調べたら巻き方が違っていたことがわかりました。だからコイルの巻く向きによっても極のでき方が違うことがわかりました」