教育福島0098号(1985年(S60)01月)-035page

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自己評価の方針

○ 知識理解面と関心・態度の両面から観点を設定する。

○ 短時間でできるようにする。

○ 評価の尺度を得点に表す。

○ 得点合計を縦横の座標に表し、

ベクトルで示せるようにする。

特に、小単元の終わりには、観点別分析表をもとにして作ったミニテストによるチェックポイントを設け、形成的評価をした。児童は自分の学習に自信を持っており「先生、この問題の答えは○○でもいいんじゃないの?」と意欲を示した。

 

五、反省

 

『自ら追究する子どもを育てる授業』という学校のテーマを「一人立ちの学習をめざした理科学習指導」と受け止めて実践してみた。

できるだけ教師の発言を控え、児童に学習をまかせるにはどのようにしたらよいかという点に心がけてきたつもりであるが、テーマの大きさに比して実践が浅く、成果といえるものは少ない。これまでの実践を通して、教材を知り、児童を知ることの大切さ、準備性の大切さ、教師の役割の重大さを痛感させられ、大いに反省しているところである。

一人立ちの学習が成立するためにはいろいろな条件があると思われる。その中でも、内発的動機づけがなされることと、学習の仕方を身につけさせることが重要である。実践を通してみて次のような方法が効果的であった。

(1) 事象提示や具体物操作などの直接経験を大切にし内発的動機づけをすること。

(2) (1)に加えて、教科書等を積極的に活用し、何を学習するのかとらえさせること。

(3) どのように学習するのか、児童と共に学習の見通しを立てるとともに学習の仕方を身につけさせる過程として、学習手引書を活用すること。

(4) 自己修正し向上意欲につながるように数量やグラフなどを取り入れて自己評価をさせること。また、思考の足跡を残すノートを充実すること。(資料5)

 

六、今後の課題

 

(1) 教材を分析し、どの教材・単元では、どのような一人立ちの学習を仕組めるか、教材を研究する。

(2) 発達段階や教材の特質により、一時間の中での一人立ち、小単元の中での一人立ち、単元全体を通しての一人立ちの学習の仕組み方の可能性をさぐる。

(3) 学習手引書が路線づけにならないように改善し、児童の自由な発想が組み入れられるようにする。

(4) 児童に一人立ちの学習をさせるということは、何を児童にまかせ、何を教えなければならないか、理科教育の本質をふまえて明らかにする

 

資料5 認識の足跡がたどれるノート

資料6 一人立ちの学習についてのアンケート

 

資料6 一人立ちの学習についてのアンケート

 

●みなさんのノートはすばらしくなっています。考えたことや感じたことわかったことなど読ませてもらうのがたのみですが、ノートづくりについてどうですか。なんでも書いてください。

・自分のノートに先生がへんじをかいてくれるのが楽しみです。 (佐味有希子)

・五年生の時よりノート作りがよくなってきている。とくに結果のところとまとめのところがまえよりよくなっている。 (永井 裕司)

・五年生の一学期や二学期末にくらべると自分自身でもとてもよくなったなあーと感心している。今後もガンバッていきたいと思う。 (坂田 隆光)

● 電磁石の学習では、みなさんが主役で先生はお手伝い役をしましたが、このような学習のし方についてどうですか。なんでも書いてください。

・とても勉強になってよかった。課題別に分かれてみんなで協力してやっていけたので、これからの理科の学習もこのようにやってほしいと思っています。  (佐藤 明子)

・一学期ころは、先生になにもかも(?)おしえてもらっていたけど、今は自分たちでやるのでたのしい。(渡部かおり)

・自分たちで勉強することがとてもたのしい。(伊藤 志奈)

・先生とかにいろいろいわれないで、小グループにまとまり、自分たちの考え方でできて、先生が少しわからないところを手伝うくらいですむうずにすすんでいい。(小原まり子)

 

 

 


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