教育福島0098号(1985年(S60)01月)-036page

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研究論文特選

喜んで学習に参加し、自ら学びとる態度を育てるための

第1学年における合科的な指導の実践

 

三春町立中妻小学校教諭

国分 道子

 

はじめに

 

低学年の子どもは活動的で、いろいろな体験を通して大切なことを学びとっていく。

見たり聞いたり、いじったり作ったりこわしたり、直接経験を喜び、時間を忘れて本気で学習に取り組む。そして、いろいろな体験をする中で一人一人に自ら学ぶ態度が育ち、表現する力が身につき、自信をもって更に意欲的に喜んで学習していく態度が育つと考える。特に一年生は、教室で机を使っての一斉指導よりは、遊びを通して(学習内容を理解させる遊び)子ども一人一人との対話を深め子どもの求めているものを理解してやりながら学習を進めたほうがより効果的である。

そうした学習の中で、子どもたちは喜々として語り合い、喜々として学習に取り組み、新しい発見に驚き、成功感を味わい、更に意欲づいて学習していくことになる。

私は、こうした学習形態や考え方を大幅に取り入れたのが合科的な指導であるとの考えに立ち、これまで実践を積み重ねてきた。

第一年次(昭和五十八年度)は、低学年のティームティーチング方式を取り入れ、指導計画の作成と、合科的な指導の効果、評価について研究を進めてきた。

第二年次の今年度は、第一年次に作成した年間指導計画をもとに「喜んで学習に参加し、自ら学びとる態度を育てる」ために、体験的な学習をどう組織していくことが効果的か、実践を通した研究を進めてきた。

 

一、研究の主旨

 

(1) 合科的な指導の法的根拠と発達段階の必要性から合科的な指導は、学習指導要領に基づくものであって一小学校学習指導要領第一章総則七)各教科の目標を一層効果的に達成するために、いくつかの関連づけ教科の内容を有機的に関連づけて指導計画を作成し、児童の具体的、かつ、総合的な活動を通して指導することである。 (教育課程一般編)

未分化な心身の発達段階にある低学年の児童の特性から、各教科の枠をこえた合科的な指導をすることは大切であり、直接経験を得させる学習活動は教科別の指導においても行われるが、合科的な指導をしたほうがより効果的である。

特に、一年生に入学した児童は、幼稚園や保育所において「遊び」を中心とした活動や「保護」を中心とする保育活動を受けてきているが、入学しても飛躍的に成長するわけではなく、学業中心の学校生活に急に適応できるものではない。

幼稚園や保育所から小学校の教科別の学習に無理なく移行させるためには、教科別学習と児童の発達の特性とのギャップを埋めるために指導の上で特別な配慮が必要になってくる。

 

(2) 教育の今日的課題から

現代教育の中で大事なことは「自ら学習をする」ということだが、合科的な指導を低学年でやることによって、自分で学習することによって満足するという経験をたくさん持たせてやることができ、自ら学習するという学び方

 

国分道子先生の授業風景(中妻小)

国分道子先生の授業風景(中妻小)

 

 

 


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