教育福島0098号(1985年(S60)01月)-038page
1) 学習することが好きで夢中になって取り組み集中できる。
2) 学習のねらいや内容がわかって根気強く最後まで取り組み、やりとげた喜びや満足感、成功感を味わうことができる。
3) 友達と協力して工夫しあい、のびのびと自由に活動できる。
4) 自分の課題をもって学習に取り組み、学習したことがよくわかり、理解したことを更に広げたり工夫したりして確かな力を身につける。
三、研究仮説
児童の体験的な学習活動を中心にすえた合科的な指導計画を作成して、児童の生活に即した身近な問題に取り組ませ、「育てる、世話をする、作る、探す、集める、見る、考える」などの具体的な活動を通して体験し、観察したものを言語、絵画、動作などによって表現する活動を大切に指導すれば、児童の興味、関心を満足させ、生き生きとした楽しい学習が展開でき、児童自ら学びとる態度を育てることができる。
(1) 合科的な指導の年間計画の作成
(2) 喜んで学習に参加し、自ら学びとる態度を育てる授業の実践
四、研究計画
○ 第一年次一五十八年度)は、指導計画作成のための理論・文献研究と、それをもとにしたチィームティーチングによる実践の積み上げと年間指導計画の作成及び改善
○ 第二年次一五十九年度一は、第一年次で作成した計画をもとに主題にせまるための授業の実践(詳しい計画は省略)
五、実践の概要
(1) 第一年次の研究の概要
1)合科的な指導についての理論研究
ア、合科的な指導についての基本的な考え
合科的な指導を積極的に推進していくには、合科的な指導についての基本的な考えをしっかりもち、きちんとした計画のもとに実践していくことが大切ではないかと考えた。
そのための準備は、研究に取り組む前年度末の教育課程編成の段階から始め、文献や資料の収集、先進校の授業参観等によって学ばせていただいた。
合科的な指導の内容選択の視点や、指導計画作成の手順等について、具体的に調べ地域の実態に即した指導計画作成についての研究を深めることができた。
イ、合科的な指導の指導計画作成についての検討
理論研究をふまえ、本校の第一学年の指導計画を見直して、 「各教科の目標をよりょく達成する」という前提条件のもとに、各教科の内容、教材、学習活動について、その共通性、関連性をあらい出し、きちんとした計画のもとに実施する単元として六単元を設定し、教育課程に位置づけた。
○ 合科的な指導の範囲は各教科に限るが、国語と算数はあくまでも基本という考えに立ち(中教審の報告を尊重)その他の教科を中心とした合科的な取り扱いにして、国語、算数は内容を一部関連させるか、またはその発展として学習させるように考えた。
○ 活動や直接経験を大切に、自分で学習することのできる内容で単元を構成した。
○ 子供の興味関心を誘発し、主体的、意欲的に学習が展開できることを考慮した。
2)第一学年の合科的な指導の指導計画作成
年間計画では、六単元を設定したがとりあえず、一学期分の展開案を作成してみた。(試案)
・がっこうをたんけんしよう……四月
・どうぶつとなかよしになろう…六月
・たなばたまつりをしよう…六〜七月
いずれの単元も、本校の地域性や自然条件環境を生かした展開ができ、児童が生き生きと楽しく活動できるように配慮した。
展開案作成にあたっては、単元構造を明確にしておくために、合わせて指導するそれぞれの教材の目標と内容について、学習指導要領を検討し、各教科のそれぞれの単元の目標を分析してその関連を明確にするとともに、合科的な指導の単元でねらうことをしっかりおさえることにした。
3)合科的な指導の授業の実践例
ア、単元「どうぶつとなかよしになろう」
〈理科・図工〉
(指導計画省略)
この単元は、児童の体験的な活動を中心にすえて、児童が自然に親しみ、自然の中から問題を見つけて、虫や小さな生き物を「飼ったり」、「育てたり」、「観察したり」、「表現したり」する中に、造形活動や作文を取り入れて、小動物に対する生命愛護の心情を高めることをねらい、次のように展開した。
○ 校庭や学校の近くの野原で、