教育福島0098号(1985年(S60)01月)-040page
・単元「たなばたまつりをしよう」
音楽(2) 図工(4)…七月
・単元「おちばや木のみであそぼう」
理科(4) 図工(2)…十月
◆単元「うごくおもちゃをつくってあそぼう」
理科(2) 図工(4)…十一月
なお時数の取り扱いも工夫し、完全な合科的な取り扱いのみ示したが、指導計画には、その前後の指導内容も組み入れ、つながりを明確にした。
5) 合科的な指導の評価について
合科的な指導の評価は、従来の各教科の評価や評定のように達成目標を定めて、学級全員がどのレベルまで目標達成できたかというような観点で行うことはなじまないと考える。認知的な側面よりも学習意欲や態度を重視し、体験や活動を中心にすえて指導するために、その評価も、
○ 望ましい経験がもてたかどうか。
○ 主体的に学習に取り組んだかどうか。
○ 感動やふれ合い、満足感や充実感をもちえたかどうか。
というようなことについて、具体的な観点をあげて評価し、活用していくことが大切ではないかと考える。
したがって評価の方法もいろいろあるが、基本的なものは『観察』ではないかと考えた。
また、指導の評価としては、環境や条件、指導計画、教師の援助や働きかけなども考えていかなければならない。二年次には、このことをおさえて実践にあたっていきたい。
6) 第一年次の反省と残された課題
第一年次は、合科的な指導についての指導計画作成と実践を通した指導計画の改善について研究してきたが、第二年次は、第一年次の研究で作成した年間計画を目標にそって実践検証していかなければならないと考える。
子どもたちは楽しく活動し、意欲的に取り組んだが、一人一人の変容のとらえ方や、評価のあり方について、今後実践的な研究をしていかなければならないと考えた。
(2) 第二年次の研究の概要
1)児童の実態分析と今年度の研究計画
昭和五十九年度に担任した一年生三十一名は、知能の分布を見ても能力差が大きい。意欲はあるが受動的で積極性に乏しい子どもたちである。
体を動かす学習は喜んでやるが、思考を伴う学習はあき易く興味をあまり示さない実態にある。
そこで今年度は、四つの視点一以下本文参照)で研究単元を設定し、研究を進めていくことにした。
2) 学習することが好きで夢中になって取り組み、集中できる子どもを育てるための授業の実績
ア、単元「たのしいいちねんせい」における実践記録
〈社会・理科・図工〉
(指導計画省略)
入学後の八日間の指導を工夫し、スムーズに学校生活に適応させる中で、社会と理科と図工の合科的な指導を取り入れて、教科の学習への自然な移行を考えて実施した。
しかし、四月二十二日が運動会のため指導内容にずれが生じ、春の訪れの遅いことと相まって、実際にすべての内容を学習させるのに五月上旬までかかってしまった。
学校行事との関係で、合科的な内容に体育を取り入れて効果的な指導のあり方を今後検討していかなければならないと反省している。
子どもたちは遊びを通し、学校周辺の自然に接し、生き生きと動きまわり、自由に表現活動を楽しんだ。友達の絵をかき、学校生活について広く目を広げることができた。
今後は、入学後一か月間の計画の中に位置づけるよう計画を改善していきたいと考える。
イ、単元「どうぶつさんとあそぼう」における授業の実践
〈理科・図工〉
(指導計画省略)
ア) 五十八年度との相違点
合科的な指導とはいえ、五十八年度は教師の計画が優先したが、今年度は児童を主体に、児童が発見しながら学習を展開するように工夫した。
内容を精選し、図工は立体表現に重点をおき粘土で思いのままに表現させてみた。
イ) ねらいにせまるための工夫
子どもの大好きな「虫さがし」、「虫を飼って育てる」、「虫と遊ぶ」という活動を中心に学習を展開させ、楽しく夢中で学習に取り組めるようにした。
見つけたこと、考えたこと、不思議なこと、うれしかったことなどを言葉や動作、粘土などで思いのままに表現させてみた。
ウ) 児童の変容
かたつむりを始めて手にしたとき気持ちの悪かった子(十六人)も、家づくり、世話、遊びを通してなかよしになり、名前をつけ、特徴をよくつかんだ。教師の指示がなくても、木のぼり、すべり台、サーカス、ガラス板渡りなどいろいろと遊びを工夫し、かたつむりの「すごいところ」(※発見した特徴)を一人一人目を輝やかして発見することができた。
記録写真を見ても夢中で学習している様子がわかる。
キンギョについてもグループごとに