教育福島0100号(1985年(S60)04月)-008page
特集
心豊かな生き生きとした生涯教育の推進
一、はじめに
「人生八十年」と言われる今日、人々は、この限りある人生を“いかに生きるか”を問い直し始めています。この“いかに生きるか”は、単にハウツーものの処生のすべを考えるということではなく、“生き方”そのもののとららえなおしであり、内面的、質的な充実を考えようというものである。
この傾向は、ここ数年来、本県においても県民の間にあらわれはじめ、さまざまな模索が各方面で続けられてきました。この動向にあわせるように本県教育委員会でも、いわゆる「生涯教育」の調査、研究が続けられてきました。これらの県民の要求や研究の成果をもとに本年四月、「生涯教育推進本部」がスタートしました。
人は生涯のさまざまな時期においてさまざまなことを学びます。そしてそれが「心豊かに生き生き」と生活する糧となります。以下、二百万県民の心のふれあう学習社会の形成のために、この“学ぶ”ことの内容や場所あるい槽報の撰等生涯教育のさまざまな活動について紹介します。
(1) 新しき理念−その提唱は−
生涯教育という言葉がはじめて世界的に注目されたのは、一九六五年ユネスコ本部で開催された第三回「成人教育推進国際委員会」においてであった。
当時、ユネスコ本部成人教育課長をしていたフランスのポール・ラングランが
1) 科学技術の進歩
2) 社会構造の変化
3) 余暇時間の増大
等から、生涯教育の必要性を提唱し、その理念は「人間の一生を通じての可能性の追求であり、各自が個性を伸長し、自己実現を図っていくのを援助するプロセス」であるとした。
生涯教育推進本部がスター卜(県教育庁社会教育課内)