教育福島0100号(1985年(S60)04月)-010page

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念に立つ市町村の社会教育の振興を図ってきた。

昭和五十七年度からは、「生涯学習促進事業」として、県内四カ所で「生涯学習促進研究協議会」を開催するとともに、学習情報提供事業として、情報紙「生涯学習ふくしま」を市町村及び関係機関団体へ配布し指導啓発を行ってきた。

また、昭和五十七年度には、教育庁内に「生涯教育研究会」を設置し、本県における生涯教育事業の実態を踏まえながら、今後の生涯教育の推進という観点に立った総合的な行政のあり方について研究を進めてきた。

生涯教育の推進体制を整備する上で重要なことは、県民が生涯学習の必要性を認識し、主体的に学習に取り組むことであり、これは市町村においても十分配慮されなければならない。

このような観点から、次の課題が考えられる。

 

1) 市町村における生涯教育体制づくりを促進する必要がある

2) 教育庁内に設置されている「生涯教育研究会」を基盤とする推進体制を整備拡充する(教育庁と知事部局の連携協力体制を含む)

3) 生涯教育推進事業の具体策を検討する

 

以上の課題について、今後研究を深めながち豊かな県土づくりを目指した生涯教育を推進するため、教育庁と知事部局の一層密接な連携を図り、県民主体の生涯教育、生涯学習のあるべき姿を追求していくこととしている。

 

(2) 生涯教育を推進するための体制

 

生涯教育は、一人一人の生涯学習を援助するために、家庭教育、学校教育、社会教育等の教育機能の全体を統合しょうとするものである。

同時に、教育行政と福祉や農林や保健などの行政及び企業等の民間における教育機能を統合しようとするものであり一それぞれの関係機関・団体等が連携協力を密にし、教育機能の統合化を図り、人々の生涯にわたる学習を促進しょうとするものである。

そのため、本県においては、家庭教育、学校教育、社会教育の統合はもとより、教育行政と一般行政の教育機能の統合を促進する生涯教育推進体制をつくり、県民総ぐるみの生涯教育を推進する機関を設けるとともに、指導者を養成確保し、広域的な施設の整備充実を図り、生涯教育事業を総合的に推進する。

 

(3) 生涯学習の体系化

 

生涯教育は、社会の変化に対応するために、人の一生という時系列に沿った乳幼児期から高齢期に至る人生の各時期に必要とされる学習と人々の個人、または、社会人としての生活上必要な学習を統合的にとらえようとするものである。

更に、高齢化社会の到来や婦人のライフサイクルの変化に伴って、従来の一般教育と職業教育の統合化が求められるとともに、高学歴化社会となり、人々の要求する学習が次第に高度化し専門教育の統合化が要請されている。

このように、生涯教育は生涯の各時期における主要学習課題、教育課題として、現代人にふさわしい新しい教育の体系化を図ることを求めるものである。

 

(4) 指導者の養成と充実

 

県民の学習に対する要求は、高度化し、多様化しており、生涯教育を推進する上で、指導者の果たす役割はますます重要になっている。

特に、直接住民と接する市町村の社会教育関係者、スポーツ、文化活動等の指導者は、住民にとって、一番身近かな教育事業の企画立案にもかかわり、指導する重要な役割を担っている。

これらの指導者の養成と資質の向上を図る研修の場を充実し、住民の多様な学習要求に応えられるようにするため、県民の意識や学習要求及び生活実態等を調査し、指導者へ事業立案のための具体的資料を提供する。

 

(5) 広域的生涯教育施設の設置及び事業の推進

 

1) 生涯教育事業の推進

 

交通・通信網の整備発展に伴い、人々の行動範囲や対話等のコミュニケーションの範囲が拡大し、それにつれて、広域的で多様な教育事業の開設を希望する県民が増加している。

その要望を満たすため、県は多様で高度な内容をもつ広域的な教育事業を開設する。

また、県民への広域的な学習情報の提供及び学習相談・生涯学習に関するプログラムの研究等、市町村単独で実施することが困難な事業の開設を検討する。

 

2) 広域的な生涯教育施設の整備充実

 

県民が自発的意思に基づいて、様々な学習を容易に行い得るように、県は市町村での生涯教育を援助するため、広域的事業を総合的に実施し、生涯教育を推進する拠点として「生涯教育センター」の設置について検討するとともに、社会教育施設、文化施設、体育・スポーツ施設など生涯教育関係施設の整備充実に努める。

 

 

 


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