教育福島0100号(1985年(S60)04月)-011page

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(6) 市町村と県の役割分担

 

1) 基本的な考え方

 

生涯教育に関する施策は、国、県、市町村がそれぞれの段階で実施しているが、生涯教育の効果的な推進を図るためには、これらの施策が相互に連携し、適正な役割・の分担に基づいて進められることが必要である。

特に、県と市町村の関係は緊密であり、関連する部分が多く、相互の連携協力と役割の分担は肝要である。

また、地域における学習活動を振興するためには、各地域段階できめ細かく施策を展開していくことが必要であり、生涯教育を推進する行政の第一次的な役割は、住民の日常生活と密接なかかわりをもつ市町村が担うべきである。

これに対して県の役割は、より広域性をもち、または、県全体の生涯教育の水準を維持向上する施策や市町村間の連絡調整に関する施策などを担当し、市町村における生涯教育に関する活動や事業を積極的に指導・助言・援助して、広域的に補完することである。

 

2) 市町村の役割

 

市町村は、地域に根ざした学習活動の拡充と普及を行うため、次のようなことに積極的に努力することが必要である。

(ア) 生涯教育の推進体制の整備

市町村の関係職員が生涯教育の考え方について共通の理解を深め、教育行政や一般行政はもとより、関係機関・団体等の代表者、学識経験者による「生涯教育推進会議」を設置し、各種の教育機能の統合化を図るなど生涯教育の推進体制を整備する。

(イ) 住民が直接利用する教育施設の設置及び生涯教育に関連する事業の充実

市町村は、地域住民が学習のために直接利用する施設の設置に努めるとともに、施設等における既存の教育事業を見直して、住民の生活に根ざした学習活動を掘り起こし、生涯教育の考え方に基づいて体系的、総合的に関連事業を実施するように努める。

(ウ) 指導者の養成・確保及び活用

市町村における生涯教育の指導者として、関係行政機関の職員や民間の有志指導者などが考えられるが、市町村は、これらの指導者の養成と確保のために、基礎的な内容を中心とした生涯教育に関する研修の機会の拡大に努めるとともに、国・県レベルの専門的な研修への参加を促進ずる。

また、指導者の養成とともに、積極的にその活用を図ることが重要であり、指導者の活動する機会が多い市町村においては、養成と活用とが一貫するように配慮する必要がある。

(エ) 生涯教育に関する啓発活動

学習に関する広報・啓発活動は、県、市町村などあらゆる段階で行われることが望ましく、市町村では、公民館、図書館などを中心にして、住民に直接広報活動を行うことができるので、生涯教育の考え方についての啓発、学級・講座などの周知徹底、学習グループの紹介など、住民にとって身近かで多様な情報の提供を促進する。

また、県や隣接市町村の実施する事業を紹介することも必要である。

 

3) 県の役割

 

県は、市町村における生涯教育に関する活動を指導・助言・援助し、広域的に補完していくことが基本的な役割であり、市町村の段階での取り組みを奨励し、援助していくために、次のようなことに努める。

(ア) 生涯教育の推進体制の整備

本県の生涯教育のあり方を継続的に研究し、生涯教育の推進のための具体的活動に関し助言や提言を行う。

そのため「生涯教育推進本部」を設置し、教育行政をはじめ関係部局の行政の相互連携による生涯教育の推進体制を整備する。

(イ) 教育施設に関する調整及び広域的な事業の実施

県立図書館、県立美術館など全県を対象とした広域的に利用される施設の整備と運営の充実に努めるとともに、県民の利用の便を図るため、市町村の設置する教育施設の適正な配置や相互連携、機能分担などについて

 

ふるさとづくりリーダースクール・河東町

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