教育福島0100号(1985年(S60)04月)-016page
社会の変化と深いかかわりが指摘されている。
人間性豊かな青少年の育成は基本的には青少年自身の自覚と努力に期待されるものであるが、それと同時に、家族はもとより、地域社会の成人の力によるところが大きい。
したがって、家庭や学校、地域社会の教育力を高め、相互の連携の中で、両親や先生や地域の人々の協力により、着実にその成果が上がるよう努力することが重要である。
(イ) 家庭教育、学校教育、社会教育の充実
生涯教育の推進にあたっては、家庭教育、学校教育、社会教育の各領域がそれぞれ本来の教育機能を高め、充実を図ることが必要である。
ア) 家庭の教育機能の充実
一般に家庭は、社会とのつながりの弱さや子どもに対する過保護、しつけの不足などが見られる。
このため、子どもの性格や態度の形成にかかわる親・家族の努力が期待されるとともに、行政施策の面でも家庭教育への適切な援助が求められている。
また、家族相互の温かい触れ合いや信頼と尊敬、あるいは人格の陶冶など家庭の教育機能の充実が望まれる。
イ) 学校教育の拡充と成人に対する学校の開放
学校においては、ゆとりのあるしかも充実した学校生活を通して、知・徳・体の調和のとれた人間性豊かな児童生徒を育成することが望まれている。
特に、学習の場を広く地域社会や社会教育施設に求め、学習活動も地域の文化、自然との触れ合いや野外活動を通して行うなど多様な内容・方法を取り入れて拡充する必要がある。
また、成人の学習の必要性や要求に対して、県内の高等学校や大学を開放して、成人に対して学校での修学を容易にするなど学校教育の機能の開放を促進することが重要である。
ウ) 社会教育の充実
地域社会における人々の多様な学習活動を助ける上で、社会教育は重要な役割を果たしているが、その内容・方法においてなお検討する余地がある。
このため、事業や指導者、情報提供について一層の充実を図るとともに、個人学習の奨励・援助など新しい分野や方法についても改善に努める。
(ウ) 家庭教育、学校教育、社会教育の連携
社会の進展に伴って、家庭教育、学校教育、社会教育の教育機能についての期待も変化し、学習社会の形成のために各領域がそれぞれ特有の教育機能を十分発揮することが望まれているが、更に、相互の連携協力によって、それぞれの教育機能を高めるとともに、新たな教育機能を発揮することが期待されている。
さらに、青少年の健全育成、少年団体活動の奨励、青少年の社会参加の推進においての三者の連携協力の重要性が指摘され、その中核的な担い手としてのPTAの活動が期待されている。
しかしながら、学校開放による地域社会の人々への学習機会の提供、教職員の地域社会における諸活動の指導者としての活躍、学校による家庭教育機能の補完、家庭教育、学校教育の相互理解、青少年期の発達課題の達成、家庭教育に関する親等の学習機会や情報の提供、豊かな地域づくり等における学校と地域社会、学校と家庭及び家庭と地域社会との連携協力が期待されながら、その期待に十分応えていない状況が見られる。
今後は、家庭教育、学校教育、社会教育が相互に効果的な連携協力を推進し、それぞれ特有の教育機能を更に高めるとともに、相互の連携協力によって新たな期待に応える必要がある。
(エ) 集団・団体活動の奨励、援助
集団・団体活動は、社会性、規律、協同、友愛、連帯感など多様な資質を培うことができ、意義の大きい活動である。
この活動は、特に青少年にとって重要なことで、人間性豊かな人格を形成する上での発達課題である「自立感」、「活動性」、「自発性」、「自己の確立」をか
社会通信教育受講者研究集会