教育福島0100号(1985年(S60)04月)-038page

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わかりやずい教育法令

定年制と退職勧奨

 

退職勧奨はあるんですか?

定年制って何ですか

 

一、定年制度

 

「地方公務員法の一部を改正する法律」が定められ、本県でも、昭和六〇年三月三一日から、「定年等に関する条例」が施行され、原則として、六〇歳定年制が実施されました。(制度の趣旨概要及び内容等は、本誌第八九号及び第九〇号参照)

また、この定年制度の具体的な取扱いについて、県教育長通知「定年制度の取扱いについて」(昭和六〇年二月八日付六〇教総第三〇号及び第三一号)により、勤務延長、再任用、辞令等に関する手続き等を明らかにするとともに、定年該当職員への周知についても、この通知に基づいて、所属長または市町村教育委員会より該当の所属職員に定年及び定年退職日を知らせること等が明確にされました。

 

二、退職勧奨

 

六〇歳定年制が実施されることにより、今まで行われてきた組織的集団的な一斉退職勧奨は、行われなくなりましたが、人事管理の上からも特別の事情等で定年退職日前に退職させる制度を全くなくすことはできませんので、必要に応じて個々に退職を勧奨できるよう新たに「個別退職勧奨に関する要綱」(昭和五九年九月一一日付五九教総第二九七号で通知)を定め、昭和五九年八月三日から施行することになりました。

(1) 個別退職勧奨対象者と優遇措置

個別退職勧奨は「年齢五〇年以上の者で、その者の職務遂行能力その他の事情を考慮して、任命権者が特に退職を勧奨する必要があると認めるもの」を対象としています。

この個別退職勧奨者については、退職手当条例の定めるところにより優遇するほか、退職時の特別昇給実施基準により給与上の優遇措置もなされることになります。

ただ、当該年度に定年に達する者(その年度末までに満六〇歳になる者)及び次年度に定年に達する者(その年度末までに満五九歳になる者)は、この個別退職勧奨対象者から除かれることになっています。

では、「当該年度及び次年度に定年に達する者」が、定年退職日前に退職する必要が出た場合はどうなるでしょうか。このままでは、自己都合等による退職者と同様に扱われることになり、定年退職者よりも大変不利になってしまいます。

そこで、この不利をなくすために、当該年度及び次年度に定年に達する者で、特別の事情により任命権者が、当該年度に、特に退職を勧奨する必要があるものについては、退職勧奨を行えるようにしました。ただし、退職時の優遇措置については、定年退職者に準じた条件で行うこととして、前記の個別退職勧奨者と区別したわけです。

従って、退職には、「定年退職」「定年退職と同じ条件での個別勧奨退職」「個別勧奨退職」及び「自己都合等による退職」の四つの区別があることになります。

(2) 個別退職勧奨の方法

個別退職勧奨は、次の手順・方法で行われます。

1) 教育庁等の所属長、県立学校長及び教育事務所長は、個別退職勧奨を必要と認める者について、名簿を作成しへ毎年九月三〇日までに、それぞれ所定の機関に提出する。

2) 提出された名簿を基に、県教育委員会が個別退職勧奨対象者を、毎年一一月一〇日までに確定し、一一月一五日に退職を勧奨する。

なお、財政及び行政上の問題から毎月一一月三〇日以後は、原則として、個別退職勧奨は行わないものとしている。

 

質疑応答

問 職員が定年に達した日以後、条例で定める退職日までに死亡した場合の扱いは、どうなるでしょうか。

答 死亡退職扱いとなります。死亡が公務上のものか否かにより、退職手当上の取り扱いが異なってきます。

(退職手当条例第五条第一項、二項参照)また、給与等の優遇措置も自己都合等による退職者と同様の扱いとなります、

 

 

 


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