教育福島0100号(1985年(S60)04月)-044page

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まちからむらからこんにちは

 

まちからむらからこんにちは

文化財少年団の活動

浪江町教育委員会

 

わが町に文化財少年団という少年団が結成されてから、今年で九年次を迎える。

 

わが町に文化財少年団という少年団が結成されてから、今年で九年次を迎える。

当時、ボーイスカウト福島第七七団という少年団が、ただ一つだけあった町で、公民館という公機関が、指導運営にあたる少年団として発足を見たのである。

この少年団の特色的なものを次に挙げて見ることにする。

この団は、小学五年生以上の男子のみで構成しており、指導、分担は表1のようになっている。

入団は、小学四年生の三学期開始時であり、その他の時期の中途入団は、認めていない。

一度入団した子は、本人から退団の申出がないかぎり、高校生まで続けられる。

団の目的は、文化財に関する知識の習得や、保護の活動を通じての“人間形成”というところにあり、あくまでも、文化財は、“教材”というところである。

団の目的を子供たちに周知、徹底させるために、団員三つの“ちかい”を次のように定め、入団の宣誓や、つどいの際に唱和させることにしている。

 

文化財少年団三つのちかい

 

一、古い良いものを大切にします。

一、親子、兄弟、友だち、みんなと仲良くします。

一、良く見、良く聞き、良く学びます

 

というものである。

年間の活動は、四月〜十二月まで、団集会が毎月二回(日曜日)、他に、合宿(夏休中)が一回である。

一月〜三月は、新入団員の予備訓練、学習の期間となる。

団集会の内容は、次の配分のようになっている。

郷土の歴史に関する学習、三〇%

自然と生物に関する学習 一〇%

郷土芸能に関する学習 一〇%

民俗と伝承に関する学習 二〇%

規律の訓練その他 三〇%

表2に、2年間の学習内容を挙げてみた。

過去八年間の経過から見ると、いろいろと反省点も多いが、それなりの成果もあげている。主な成果としては、

一、インリーダーが着実にのびている。

二、ともみがきが徹底されつつある。などがあげられる。

発足当時は、ほとんど競合する少年団が無い状態であったが、現在では、野球、ソフトボール、サッカーなどのスポーツ少年団が続々と結成され、子供たちの選択の範囲は広がっている。

したがって、団としても、独自のカラーである団組織を前面におし出し、アピールして行く必要があると考えている

今年は、さらに民俗芸能のうち、「宝財おどり」などの習得にも、とり組ませて見たい。

文化財は、私たちの先祖の残してくれた大切な遺産であるばかりでなく、次の世代から、また次の世代へと、ひき継いで行かなければならないものでもある。

このことをまづ認識できる子に→おとなにと成長してほしい。それが、本団での何よりの成果であると考えて、団運営にあたっている。

ボーイスカウトは、世界的な組織をもつ、最大で、かつ最も整備された少年団である。しかし、私どもの町には、一団、一隊しか無いために、これに入りたくても入れない子が出て来る。

こんな子供たちを、集めて、また、自分たちの故郷の歴史的なことがらに興味をもつ子供たちを集めて、学習と、訓練ができたら、と考えて作ったのがこの組織である。

運営や、組織については、ボーイスカウトのものを、そっくりとりいれている。

この団が、今後どれだけ発展し、継続して行くことができるかは、指導者の確保という点にかかっている。

さいわいなことに、長く本団でインリーダーをつとめていた子たちは、OBとなっても無関心でないことである。第一期生は現在十九才から二十才にな

 

朝のつどい…今日のスケジュールの確認

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