教育福島0101号(1985年(S60)06月)-045page
ふるさと探訪
県指定重要文化財(建造物)旧菅野家住宅 一棟
もと、福島市松川町松川字熊野田の農業菅野家の住居であったが、改築に際し、市に寄贈されて民家園に復原再建された。どま・なかのま・ざしきの三間からなり、江戸時代の(十八世紀中ごろ)県北地方における農家の典型的な例である。
また、平面積の半ばは土間であること、袖土壁の前面開口の形式、正面を除く三方大壁造りの外壁など、古式をよく伝えている。さらに、なかのまとざしきは板敷であるが、板床普及の時期もわかり貴重である。
旧菅野家住宅復原平面図
所在地 福島市上名倉字大石前地内福島市民家園内
所有者 福島市
県指定重要文化財(建造物)
(法用寺三重塔)
附 板絵図 1組
県重文・法用寺三重塔(昭和46年4月13日指定)の約10分の1の縮尺で書かれた墨書の板絵図である。46年当時の調査では伝存が不明であったが、昨年10月に同塔内から発見された。この縮尺は、江戸中期以降(明和5年1768年)全国的に行われるようになった手法である。同寺三重塔建立の棟梁が越後国(新潟県)の大工であったこと、現存の塔建立の計画や意気ごみのよくわかる板絵図として貴重である。
所在地 大沼郡会津高田町大字雀林字三番山下3554番地
所有者 法用寺
ふるさとの文化財