教育福島0103号(1985年(S60)08月)-012page
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内容、形態など各学校の特色を出そうと努力している。今後、次の観点からさらに吟味していくことが重要である。
ア 教育目標を達成するために学校として必要な活動であるか。
イ 実施して効果をあげている活動であっても内容・方法等に改善の余地はないか。
ウ 地域や学校、児童生徒の実態から本当に必要な活動であるか。
エ 児童生徒の欲求を考慮した計画、実践になっているか。
2 教育課程の実施
教育課程を効果的に実施していくために、次の点に留意することが必要である。
ア 好ましい人間関係を基盤として、生徒指導の充実を図る。
好ましい学級集団に育てていくために、愛情を基盤として、教師は児童生徒の中にとけ込み、一人一人の児童をいろいろな角度からよく理解し、人間的な触れ合いを密にして、生徒指導の充実を図っていくことが大切である。
イ 特別活動を重視し、組織化する。
特別活動は、内容が多岐にわたっている。このことは、学校ごとに、児童生徒の実態に即し、創意をこらす余地が他領域に比べて非常に大きい。各学校が創意工夫をすることによって独自性を十分発揮し、自主的実践的態度の育成を図らなければならない。
ウ 個を生かし、意欲的に取り組む授業を展開する。
児童生徒にとって学校生活の大部分は授業である。したがって、授業の充実を図らなければならないのは当然のことである。
授業を充実させるための第一の要件は、授業における個への対応である。一斉指導の授業であっても、児童生徒一人一人をよく見とり、それに適切に対応して、個が確実に伸びていけるよう、学習の個別化を大切にしなければならない。
第二の要件は、児童生徒が生き生きとして、意欲的に取り組む授業づくりである。そのためには、教材の開発や学習過程の工夫、目あてのとらえさせ方、学習の仕方の指導、また、作業や操作的活動、観察・見学、グループ学習などの多様な学習活動を適切にとり入れることが大切である。
また、小学校低学年の合科的な指導、中学校箪二学年の選択教科については、それぞれの趣旨が生かされるよう施設・設備等を考慮しながら内容の改善充実を図らなければならない。
3 教育課程の評価と改善
学校の創意工夫を生かした教育課程の編成・実施が期待されているので、各学校では、教育課程の充実のために、従来より以上に教育課程の評価と改善に努めなければならない。
(1) 教育課程の評価と改善の基本的な考え方
教育課程は、学校教育の全領域に及ぶ教育計画を統括するものである。したがって、評価の対象領域が広いため、漠然とした評価になりやすいので、ねらい、時期、方法を明確にして取り組まなければならない。また、評価の方法は、学校の実態に応じて工夫し、適切な評価ができるようにすることが大切である。評価を進めるに当たって次の点に留意する必要がある。
ア 全教師が協力して、組織的に進めること。
イ 計画を立て、積極的に進めること。
ウ 客観的な資料を収集して進めること。
エ 評価しやすいより具体的な到達目標を設定して進めること。
(2) 改善への手だて
学校における教育の成果を高めるために、教育課程を評価の結果に基づいて適正なものに改善しなければならない。そのための手だてとして次の点に留意する必要がある。
ア 教育課程の改善計画を学校経営の中に位置づけること。
イ 教育課程改善のための組織を機能させること。
ウ 教育課程の評価の結果に基づいて改善の方針を立てること。
エ 教育課程の改善事項を検討し、改善の具体策を作成すること。
オ 年間を通して実施しながら教育課程の改善を志向すること。
全教師が一致して、自校の教育課程をより適切なものに改善しようとして取り組むときに、評価を生かした教育課程の改善が図られるであろう。
行事終了後や各学期末ごとの評価は各学校でよく行われているところである。日常の授業の評価を、改善に生かすために、週指導計画の反省等についても、教育課程の改善を意図したものであれば、それが累積されて次年度に十分生かされるはずである。
地域や学校の実情及び児童生徒の心身の発達の傾向や特性に応じて、一層調和と統一のある教育課程の編成ができたとき、教育課程の改善がなされたことになるであろう。
三 学習掲導の暫弱改善
教師はだれでも、よい授業をしたい、これだけは身につけさせたい、自主的主体的に学習させたいと願っている。児童生徒もまた、わかるようになりたい、できるようになりたいと願っている。しかし、それにもかかわらず「授業がわからない」「授業がおもしろくない」という声がなくならない。
魅力ある授業を創造することは、我々教師のつとめである。今こそ、自らの授業を直視し、問題点を掘り起こし、
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