教育福島0103号(1985年(S60)08月)-011page

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ることである。

このことは、日々の実践のための組織をいかに機能させるかが重要な課題であることを告げている。

教育目標を効果的に具現するためには、教職員の役割を明確にし、各人のもつ力を十分発揮できるようにすること、全職員が共通理解をもって協力的にとり組む体制をつくることが基本的条件である。

また、学校教育全体計画の実施が教育目標に効果的に結びついているかなど、評価改善を図るための専門委員会を設置することにより運営する方法も考えられる。

これらの組織が教育目標具現によく機能するためには、次の配慮が必要である。

ア 組織は、教育目標を効率的に達成できるよう、学校の実態に即して設置する。

イ 職務の内容や実施時期、方法を明確にし、担当者の責任体制を整える。特に、年度当初に、各人が意欲的に実践できるよう十分に話し合い、理解を図るようにする。

ウ 職員のチームワークがよく、協力して実施できる組織体制を整える。そのためには、適材適所の配置はもちろんであるが、リーダーの心配りが大切である。

エ 定期的に委員会、各係会等を開催し、到達度とそれらの原因、今後の努力事項等を明確にし、提案する体制をつくる。この各係の活動を活発にし、それらが有機的に関連をもたせて運営できるようにするには、統轄する係の連絡調整とち密な実践・評価の計画と行動力が必要である。

オ 学校の教育目標が家庭、地域社会等で十分理解し、協力的に実践できる組織体制をつくる。

カ 児童(生徒)会の組織が教育目標具現に大きな力を発揮できる体制をつくる。そのためには、学級の組織と児童(生徒)会の関係、教職員の係との関係にパイプがうまくつながるようにする。

 

3 実践と評価

 

日々の実践と評価は表裏一体のものである。常に、児童生徒の目標達成状況を評価し、指導法を改善し、更に目標にせまるよう指導を加えていく営みが教育実践である。したがって、教育目標の具現は、評価を日常化し、その改善の方策を常に追い求め実践する積極姿勢にあると思われる。

評価が生き、教育目標達成のため、活力のある学校運営をするには、次のことが重要である。

ア 教師、児童生徒の評価や改善策を学校運営に生かせるようにする。

イ 保護者との連携を密にし、学校と共通の立場で援助指導ができるようにするとともに、保護者の要望も生かされる開かれた学校運営をする。

ウ 学年会・職員会・研修会・各委員会・各領域の部会等で、教育目標達成度を定期的に評価し、全職員が努力することを絶えず確認し合う。

エ 児童(生徒)会の立てる週・月の努力目標を教育目標との関連で具体的にし、児童生徒が積極的に活動できるよう全職員で援助指導をする。

オ 学期末の総合的評価には、評価の対象や観点・基準・方法等を的確に定めて評価し、目標達成の改善策を具体的に立て、共通理解のもとに実施できるようにする。

 

二 教官課程の改善充実

 

ゆとりあるしかも充実した学校生活や学習活動は、調和と統一のある教育課程の編成と実施によって実現する。

したがって、学校教育活動全体を見直し、児童生徒一人一人にとって伸び伸びと楽しく、個性や能力を伸長させる場となっているかどうか、真の知力を磨き、豊かな人間形成に資する場になっているかどうかを十分検討して、教育課程の基準のねらいを確実に実現できるようにしなければならない。

 

1 ゆとりと充実をめざした教育課程

 

(1) 日課時間、授業時数の吟味

1)日課時間

毎年実施している教育課程実施状況調査によると、日課表の時間的なゆとりについて各学校とも十分配慮しての編成が多くみられる。業間五分の休み時間をとっている学校が非常に少なくなり、給食後の休み時間に余裕をもっている学校が多くみられる。しかし、一日の学校生活や一週間のそれを考えたとき、児童生徒の側に立って次の点からもう一度検討してみる必要がある。

ア 時間的なゆとりと共に内容面の充実が図られているか。

イ 意欲的に活動できるリズムをもつた編成になっているか。

ウ 時程が毎日のように変化したりして児童生徒に戸惑いはないか。

エ 給食後の休み時間が長すぎて、午後の活動に支障が出ていないか。

オ 落ち着いて活動に取り組める編成になっているか。

2)授業時数

授業時数は、ほとんどの学校が標準時数で編成している。各学校では、さらに次の点から検討し実態に応じて最適な授業時数を配当する必要がある。

○ 学校の重点目標(努力目標)達成の観点から

○ 地域や児童生徒の実態から

○ 標準学力検査等の結果から

○ 道徳教育の面から

○ 特別活動の面から

○ 体力テスト等の結果から

(2) 創意を生かした教育活動の吟味

創意を生かした教育活動については、各学校とも創意工夫をこらし、種類、

 

 

 


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