教育福島0103号(1985年(S60)08月)-031page

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特集

二十二ページの続き

 

(3) 教育機器や資料の積極的な活用

学習指導における教育機器や資料の活用は、児童生徒の興味、関心を高め、理解を助けるのに大きな役割を果たす、したがって、視聴覚教材の利用、教材教具の自作、機器の活用を積極的に行い、学習の意欲や経験の拡大、授業の効率化が図られるようにする。

 

(4) 指導と評価の一体化を図る指導

少人数学級のよさは、一人一人にゆきとどいた指導がより可能なことである。個々の児童生徒について、学習結果の考察やつまずきを記録し、診断する個人カルテ作り、それらを盛り込んだ授業の実践などが考えられる。それらの実践をもとに、確かな、客観的資料に基づく実態のとらえ方、とらえた実態をどのように授業に生かすか、そしてどのような変容を期待するのか、そのためにどんな手だてをもって指導するのかといったことについて、一層の実践が必要である。

 

十 体育保健安全 及び給食指導の充実

 

小学校体育の指導は適切な運動の実践によって基本的な技能を養い、力いっぱい運動して活動欲求を満たし、運動の楽しさを児童一人一人のものとすることである。

中学校においては、生徒の能力に応じて運動の楽しさや喜びを体得させるとともに、生涯にわたって運動を積極的に実践し、健康の増進と体力の向上を図り、明るく豊かな生活を営む態度を育てることにある。

保健・安全及び給食指導は、主として学級指導、学校行事、児童(生徒)活動等の特別活動や日常の学校生活における指導で取り扱い、それぞれのねらいを明確におさえて指導することが必要である。

さらに、体育の指導を充実させるためには、地域の特性、学校や児童生徒の実態を把握し、運動能力と体力の向上を図る処方を明らかにして指導しなければならない。

また、保健、安全及び給食指導では、学級指導を中心に児童生徒の発達段階に応じて基礎的・基本的事項を確実に理解させ、自主的に健康で安全な生活を実践できる能力と態度を育てることが大切である。

 

1 体育指導の充実

 

学校における体育に関する指導は、学校の教育活動全体を通じて適切に行うことはもとより、その中心的役割は体育・保健体育の授業であり、その指導の充実強化に努めることが大切である。

 

(1) 運動の特性を明らかにした指導

それぞれの運動の特性に応じた楽しさを体験させ学習意欲を高めながら、一人一人が自らの課題に立ち向っていくよう指導する。

 

(2) 共通理解に基づく計画的、継続的指導

学校における体育に関する指導の基本方針を明確にし、全教職員の共通理解のもとにスポーツテストの結果等を十分に活用し、各学校の実態や問題点を明らかにして指導することが必要である。

 

(3) 特別活動との関連を図る指導

学級指導、クラブ活動・部活動の体育的活動、体育的行事、保健・安全的行事などの教育活動と有機的な関連を図り、効果的な指導が行われるようにする。

 

(4) 日常生活に体育的活動の定着を図る指導

学校における体育に関する指導の成果をあげるためには、家庭や地域との連携を密にして体育的活動の生活化を図り、継続して実践する習慣を身につけるよう指導する。

 

2 保健指導の充実

 

児童生徒一人一人が、健康な生活を営むために必要な事柄を体験させ、積極的に健康の保持増進ができるようにするための基本的な態度や能力を育成することを目指すものである。

 

(1) 学級指導

学校における保健・安全及び給食に関する指導全体の中で最も具体的で実際的な指導が展開されるところであり、保健指導全体の中核的な役割をもつものである。

ア 年間を通して計画的に指導する。

イ 指導のための適切な時間を設ける

ウ 評価の結果を十分に活用し、常に指導法の改善・工夫に努める

 

(2) 学校行事

心身の発達、健康の保持増進などについて全校的な集団で指導することにより効果を高めることをねらいとし、計画的に児童生徒の自発的・実践的な活動を促し、学習成果の総合的な発展を図るよう努める。

 

(3) 児童生徒の活動

児童生徒の自発的、自治的な活動をそこなうことなく、児童生徒の意志を尊重しながら、学校行事や学級指導における保健指導の成果を生かした実践活動が行われるよう指導する必要がある。

 

 

 


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