教育福島0103号(1985年(S60)08月)-033page

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することが大切である。

 

ア 研究主題設定に当たっては、児童生徒の実態や教師個々の抱える問題をベースとする。

イ 研修計画について、一人一人が納得、熟知し、見通しを持って実践できるよう、十分話し合う。

ウ 研修の結果を実践に結びつけて活用し、児童生徒に反映できるようにする。

エ 研修図書、備品、資料等、研修のための条件整備をする。

 

(2) 校内研修の組織

組織づくりに当たっては、全教職員の共通理解が図られ、その機能が最大限に発揮できるようにすることが肝要である。そのためには、次に留意することが大切である。

ア できるだけ単純化した組織とする。

イ 形式化を避け、研修のすすめやすい実質的な組織とする。

ウ 一人一人の特性を生かした組織とする。

エ 研修の中核となる組織を明らかにする。

オ 全員が積極的に参画できる組織とする。

カ 役割分担を明確にするとともに、その分担が均衡を図れるよう組織する。

 

(3) 研修の評価機能の充実

校内研修をより充実したものとするためには、絶えず評価をしながら進めていく必要がある。すなわち主題設定・計画・実践・成果について、次のような観点をもって評価し、改善を加えながら研究を推進し、より充実したものとしていく必要がある。

1) 研究主題についての評価

ア 学校の教育目標を達成するために、有効にはたらいているか。

イ 全教師の問題意識に支えられているか。

ウ 前年度の成果と問題点を的確におさえ、本年度の課題が具体的にされているか。

エ 主題は、具体的で研究の内容・方法が明確に位置づけられているか。‘

2) 計画についての評価

ア 計画は、学校運営計画の中に位置づけられているか。

イ 全教師の共通理解のもとに、責任分担が明確にされた計画になっているか。

ウ 研修内容や段階、期日などが明示され、無理なく実践できる計画となっているか。

エ 研修に要する時間の確保が見通しをもって計画されているのか。

3) 実践活動についての評価

ア 年間を通じ、組織的、継続的に実践されたか。

イ 到達度、解決事項が明らかにされ、研修の過程で成果が評価され反省されたか。

ウ 指導機関の助言指導を効果的に組み入れたか。

エ 個々の教師が責任と意欲をもって研修に参画したか。

4) 研修成果についての評価

ア 研修の成果が日々の教育活動に生かされ、児童生徒の望ましい変容となってあらわれているか。

イ 個々の教師が厳しく反省しながら研修し、自己の指導能力の向上に結びつけることができたか。

ウ 成果が確認され、改善すべき問題点が的確にとらえられたか。

エ 今後に残された課題が明らかにされたか。

 

2 個人研修の充実

 

「常に学ぼうと努める教師の姿は、それだけでも児童生徒への無言の教育となる」と言われる。

教育活動は、教師と児童生徒との強いきずなを前提に展開されるものであるから、教師の力は、児童生徒の成長に深くかかわってくる。

したがって、自己研修は、すべての教師の生命であるとともに、すべての教育活動の基盤であるといえる。

個人研修を、更に充実したものとするために、常に、次の点に心掛ける必要がある。

ア 研修の意図やねらいを明確にすること

イ 長期の見通しをもって計画的に進めること

ウ 校内共同研修や校外研修の成果を生かすこと

エ 研修が児童生徒を真に育てるための方途とすること

オ 記録の累積など、研修の深化を図ること

カ 先輩や同僚の助言、指導を積極的に受けること

 

3 研修時間の確保

 

研修に必要な時間を生みだすには、各教師の自発性に基づく創意工夫と、協力し合う態勢づくりが大切である。

しかし、より多くの時間を確保し、更に、研修の充実を図るための方策については、学校運営全体の立場から考えていかなければならない。

そこで、次のような観点から工夫して、研修時間の確保に努め、効率的運営を図っていく必要がある。

ア 教育課程編成上から研修時間を生みだす配慮をする。

○研修に当てられる時数を的確におさえ、それに見合う研修計画を立てる。

○月行事、週行事の中に定例的に研修日を設けるなどの工夫をする。

イ 時間割編成上から研修時間を生みだす配慮をする。

○例えば、中学校の場合、学年主任会、研究推進委員会、教科部会等を共通の空き時間に当て、週一回

 

 

 


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