教育福島0103号(1985年(S60)08月)-034page

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定例会を開き、共同研修を行う。

ウ 長期休業中において研修時間を生みだす配慮をする。

○長期休業期間は、次の点から研修をすすめるのに都合がよいので、じゅうぶん活用することが必要である。

・研修の時間がじゅうぶん確保できる。

・継続的・集中的に研修をすすめることができる。

・研修内容について、資料の情報が得やすい。

エ 教授組織運営上から、研修時間を生みだす配慮をする。

○教科担任方式、専科方式、交換方式等を学校規模、職員構成から検討し、導入可能な場合は、これに積極的に取り組む。

オ 共同研修の時間の運営に当たっては、効率化を図る工夫をする。

○研修内容を事前に関係職員に周知させておく。

○教師一人一人の問題点をできるだけ集約し、研修の方向づけを明確にする。

○記録の累積化を図り、研究内容を積み上げる。

 

十二 幼稚園教育の充実

 

1 指導計画の充実

 

幼児にとって、一日一日は自己の発現であり、自分の可能性への挑戦である。一つ一つの経験が成長発達への足どりを固めていくような幼児を主体とした指導計画の在り方の工夫が望まれる。このために、指導計画作成に当たっては、次の点に留意する必要がある。

 

(1) 一人一人に即した活動内容の準備

幼児一人一人は興味や欲求はもちろん、活動の仕方も極めて多様である。したがって、一人一人の幼児の自己充実を図るには、多様な取り組みができるような環境を設定する必要がある。

そのためには、一人一人の幼児がこれから展開しようとする経験や活動の中で、どんな反応を示すかを見通し、様々な角度から環境を準備することが大切である。

このことは、個々の幼児にいつまでも、ばらばらに活動させておくということではなく、時期をとらえて、共通の経験や活動を与えるなどして、次第に友達と一緒に活動するように仕向ける必要があるので、そのための準備や指導計画を立てることが重要である。

 

(2) 時間的なゆとりと十分活動できる場の設定

幼児の動きをとらえ欲求を生かした指導をする時、個々により活動への取り組む時間や遊びに集中する時間が異なってくる。したがって、幼児の意識の流れや生活のリズムを十分に考慮し、余裕のある時間配分をして、存分に活動できるようにする。

また、遊具等の位置や広さ、量、質等に配慮する必要がある。

 

(3) 偶発的な経験や活動へ対応できる準備と弾力的な指導ができるようにする。

幼児の興味や欲求を大事にした指導は、偶発的な経験や活動が多くなり、それへの対応が迫られる。

たとえば、学習中偶然に「かえる」が出てきて幼児が「かえる」に興味を持った時は、幼児と一緒に見たり、遊んだりするなど、幼児の興味に即応できるよう弾力性ある計画が必要である。また教師の予想に反して異なる方へ興味を示す場合はそれを認めて次第に教師の予想している方向へ向けていく必要がある。そうした場合に備えて、多様な対応ができるよう準備しておく必要がある。

 

2 主体性を高める指導

 

(1) 活動意欲の喚起

主体的な活動になるためには、活動への意欲をもたせることである。意欲を喚起し、持続させるようにすることが大切である。意欲を喚起させるには次の点が重要である。

1) 魅力ある環境の準備

「オヤッ」「アレッ」と思う環境は幼児に活動のきっかけを作り意欲的に活動するものである。また、幼児は見たり、触ったりできる具体的な物、創造力を刺激する物等、魅力ある環境には、活動したい意欲をかき立てられる。

したがって幼児にとって何が魅力であるかを十分とらえて、興味、関心を誘発させる教材の開発、提示の仕方等の工夫をすることが大切である。

また、全員が同じように取り組むとは限らないので、自分の学級の個々の幼児の多様な欲求に応じられるような環境を準備する必要がある。

2) 成就感、達成感の会得

「できた」という喜びがなければ活動意欲はわかない。したがって、どのような幼児にも成就感を抱かせる場を設定する必要がある。なお、適度の失敗は新たな意欲となり達成できた喜びは大きいので、失敗を恐れさせないことが大切である。

3) 共感や承認や励ましの重視

幼児の活動に対する満足感は自他共に承認する時に得られる。教師や友達に認められた喜びは、幼児にとって極めて大きい喜びとなる。また、低迷や停滞した時の励ましは、幼児に自信を持たせ、自発的な活動が更に盛んなものとなっていることに留意すべきである。

 

(2) 主体的に取り組む援助指導

1) 活動の結果よりも過程を大切にする。

幼稚園においては経験や活動をする過程が極めて大切である。したがって、

 

 

 


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