教育福島0103号(1985年(S60)08月)-037page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

第三十四回

全国盲学校弁論大会

東北地区大会

生涯を越えて

熱弁奮う

 

去る七月二日(火)、福島県立盲学校の体育館において、東北六県の盲学校の代表、中学部六名、高等部六名の選手による第三十四回全国盲学校弁論大会東北地区大会が行われました。

 

この弁論大会は、弁論活動を通して盲学校生徒の資質の向上を図り、盲学校教育の発展と社会の理解と啓蒙に資するために開催されたものです。

当日は、東北地区盲学校の中学部、高等部の生徒計十二名が出場し、一人持ち時間七分で全国大会代表一名の座をめざして熱弁が展開されました。

 

●出場選手と演題

〈中学部〉

・提 正昭(山形県立鶴岡盲学校)

わたしの決意

・遠藤潤一(宮城県立盲学校)

明るい生活を

・荒木田政子(岩手県立盲学校)

心の翼

・長岡 恵美(山形県立盲学校)

父と私

・佐藤 久子(秋田県立盲学校)

白い道

・安田 秀宣(福島県立盲学校)

親友

 

〈高等部〉

・斎藤由起子(秋田県立盲学校Y

なぜ、母は・・・・・

・羽田正人(山形県立盲学校)

運命と共に歩む

・渡辺 一夫(宮城県立盲学校)

盲学校に入学して

・佐藤 久美(青森県立盲学校)

父の死に思う

・高橋 恵(岩手県立盲学校)

痛みに耐えて思うこと

・谷田川 正(福島県立盲学校)

あがないの心

 

以上の選手は、それぞれの体験を土台に現在の自分を見つめ、将来への思いを馳せた真剣な弁論を展開し、聞きいる福島盲学校の生徒、関係者に深い感動を与えました。

宮城の遠藤君は、この世の中に明るいという言葉がなんと多いことか、それに反して自分はネクラではないのか、人に明るさを求める前に自分が明るくなる必要があるのではないかと自己の心を深く見つめる論をくりひろげました。また福島の安田君は、親友とはいったいなんだろう、なんでも話し合える思いやりのある友は本当にできるのだろうか等日々の友人との交流を通しての人間としての生き方を模索する現在を真剣に語っていました。また秋田の斎藤さんは、途中失明による看護婦への道の挫折、盲学校入学への母との対立などをのりこえ、今高等部卒業を間近にして心をみがき理想の女性に近づきたいと母へ語りかけるという胸打つ心の軌跡を語り聴衆に深い感銘を与えました。

 

入賞者は次のとおりです。

 

●中学部入賞者

一位 安田秀宣(福島・十四歳)

二位 長岡恵美(山形・十三歳)

三位 荒木田政子(岩手・十三歳)

 

●高等部入賞者

一位 佐藤久美(青森・十七歳)

二位 渡辺一夫(宮城・十八歳)

三位 斎藤由起子(秋田・二十歳)

 

●全国大会(十月二十五日・東京)

出場者

佐藤久美(青森)

 

●審査員

菅原俊二(ラジオ福島放送副部長)

斎藤 眞(福島県教育庁養護教育課)

根本乃男(同)

審査委員長(菅原氏)談

「話す内容に無理がなく、分りやすいパンチのきいた話で、特に、障害を克服し、明るくまとめ、前むきで力強い話に感動した」

 

中学部第1位になった安田秀宣君(福島県立盲学校)の熱弁

中学部第1位になった安田秀宣君(福島県立盲学校)の熱弁

 

熱心に聞く県立盲学校等の生徒たち

熱心に聞く県立盲学校等の生徒たち

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。